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ゾンビにされた  作者: 斉藤一


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166話目

 アヤヒさんがタオルを貰って戻ってきたころ、マミコさんも大分落ち着いてきました。やはり水で洗い流したのがよかったのか、蔓も枯れずに済みました。

 びしょ濡れのマミコさんはタオルで髪を拭き、服のしたたる部分もついでに拭きました。


「着替えた方がいいわね。立てる?」

「はい、ありがとうございます」


 マミコさんはアヤヒさんの出された手を掴み、立ち上がります。しかし、マミコさんはふらっと倒れかけます。


「もう少し休んでた方がいいかもね」

「いえ、私だけがのんびりと休むわけにはいきません」

「でも、今は解決したみたいですよ?」

「では、その確認を・・・」

「私が代わりに見て、あとで報告するから休んでいたら?」

「ですが・・・」

「それくらい甘えちゃってもいいと思うよ。ほら、着替え着替え」


 アヤヒさんは、半分強制的にマミコさんを連れて本殿の方へ行きます。リナさんは言葉通り、さっきの場所へ戻っていきました。私はどうしましょうか?


「あれ?」


 マミコさんがアヤヒさんに連れられて離れていくにつれ、何かが離れていく感覚がします。試しにマミコさんに走って近づくと、感覚も強くなります。これは、初めての感覚ですが、何か大事な感覚の様な気がします。私は集中してこの感覚を調べます。


「私の、右手?」


 この感覚は私の右手から感じます。そして、マミコさんの手につながりのようなものを感じます。


「あの、マミコさん?」

「? どうかしましたか?」

「えっと、手を・・・手を出してもらっていいですか?」

「ええ・・・はい、どうぞ・・・」


 マミコさんはよくわからないまま私に手を差し出してくれます。私はマミコさんの手を触ります。私のつながりは、マミコさんの中に感じます。


「蔓は出せますか?」

「は、はい・・・」


 マミコさんは蔓を出してくれました。私がその蔓に触ると、蔓は私の指に絡まります。そのまましばらくすると、蔓が私の腕に突き刺さりました。


「っ!?」

「えっ、ご、ごめんなさい! 蔓が勝手に!」


 痛みはありません。しかし、私に突き刺さった蔓は、私から何かを吸っている様な気がします。マミコさんは蔓を戻そうとがんばっていますが、いう事をきかないようですし。


「大丈夫ですから、しばらくこのままでいいですよ」

「でも、突き刺さって・・・痛くないの?」

「はい、大丈夫です」


 蔓はしばらくしたら満足したのか、私から離れます。


「あれ・・・? 何か、力が・・・」


 マミコさんは、戻った蔓に何か違和感を感じているみたいです。ですが、それは悪い感じでは無さそうですね。私の方も蔓から何か貰ったのか、少し感覚が強くなりましたし。


「私、もう大丈夫です」

「服はまだ濡れてるから、風邪ひくよ?」

「植物にとって、水はごはんですよ」


 そう言うと、マミコさんは何かをしたのか、服がどんどん乾いていきます。


「おいしい。私、水がこんなにおいしいものだと感じたのは初めてです」

「えっと、どうしたの?」


 マミコさんの急な変化にアヤヒさんも困惑しています。そして、マミコさんはどこかへ走っていきました。


「どうやら、さっきの交わりで何か変化したみたいです。具体的にどう変わったのかは私にも分かりませんけど」

「えっと、変な変化じゃないと良いわね・・・」


 新たに水を吸いに走っていったマミコさんを見てそうつぶやきました。

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