153話目
機械を持ち帰った私は、さっそくアオイさんにそれを見せる。
「ほう、どこかの企業の管理システムか」
アオイさんは手際よく外の枠のボルトを外して中を見る。
「程度がいいな。今はゴムが手に入らないから、新しい配線はいくらでも使い道がある。ところで、これに繋がっていたサーバーは無いのか?」
「あー、そこまで見てなかったわ。そもそも、本当ならバラして持ち帰るつもりだったし」
「サーバーって何ですか?」
「まあ、コンピューター用の大きな保存箱とでもいう感じだな。この配線の先に繋がっていたと思うぞ。それがあれば、データをいくらでも保存できるようになる。ほぉ、いいメモリを使っているな」
アオイさんは話しながらもどんどん機械を分解して必要な部品類を取りだして行った。
「じゃあ、もう一度あのビルへ行ってサーバーっていうのを持ち帰ればいいんですね?」
「あっ、カエデ。私が行くわ。カエデじゃどれを持ち帰るか分からないだろうし」
「じゃあ、運ぶのをまた手伝いますね」
「んー、きっとそんなに大きなものじゃないと思うから、私一人でも大丈夫よ」
「そうなんですか?」
「それじゃあカエデ。君にはあちらの要らなくなった物を捨ててきてくれないか?」
アオイさんが指した先には、山になった機械があった。必要な部品だけとって、ケースとか使わない部品とかが山積みされている。
「分かりました。捨てる場所は適当でいいですか?」
「そうだな・・・。もしかしたら、一部で必要となるかもしれないから、一応雨が当たらない室内に置いてきて貰えないか?」
「分かりました。行ってきます」
私は機械をがばっと抱えて運び出すことにした。生身だったら、出ている金属片なんかで怪我しそうだけど、今の私の体なら平気だ。
「じゃあ、私はサーバーを取ってくるから」
「はい、行ってらっしゃい」
リナさんもさっきのビルへともう一度出かけて行った。
私が機械を捨てに繰り返し運搬していると、奇妙な感じがした。何かが呼んでいる。そんな気がしてきたのだ。方角的には南の方。きっと九州とかそのあたりかもしれない。そんな遠くから、何かの救援信号みたいなものを感じたのだ。




