142話目
「私もカエデちゃん達と今更敵対するつもりは無いわよ。それに、カエデちゃんに殴られるのはもうこりごりだし」
「えっと、私の話、要ります?」
「大方の予想はついてるけど。多分、マリア様につくか、カエデちゃん達につくかって話でしょ? 念のために聞いておこうかな」
「合ってますけど、リナさんは本当にそれでいいんですか?」
「よくは無いけど、私ももう一度マリア様に本心を聞いておきたいってくらいには盲信してないわよ。カエデちゃん達と一緒に行動してて、悪人だとは思えないし」
リナさんはため息と一緒に、そう言い切りました。私としても、もう一度リナさんとは戦いたくないので、戦いを回避できてうれしいです。
「私が言うのも変ですけど、ハルカ姉さまは大丈夫なんですか?」
「私はユカリに命を救われたようなものだ。それに、大阪のみんなは全員ユカリの味方だと思うぞ。マリア姉さんの意のままに操られる事は無いだろうな。大体、マリア姉さんに忠実な人たちは全員一緒に世界を巡っているからな」
「そういえば、日本は征服しないんですか?」
「え? 今更? 日本はもう、マリア様の統治下にある事になってるわよ。そして、日本で何かあった時には最強のシズカお姉さまが解決する事になっているのよ」
「それは・・・日本はすでにマリアさんに負けて、実質シズカさんが日本のトップになっているってことですか?」
「そうよ。でも、シズカお姉さまは別に日本人を奴隷にしようとか考えてないわよ。ただ、歯向かう者には容赦しないけど」
「それって、私達が何か行動を起こした時もですか?」
「当たり前じゃない」
私はシズカさんの強さを思い出して身震いする。命のやりとりはしていないけど、シズカさんは普通に戦って勝てるとは思えないほど強い。私達全員が同時にかかっていっても、どうなるか分からないと思う。
「あたしはその人の事知らないんだけど、そんなに強いの?」
「はい・・・、少なくとも私は勝てる気がしません」
「えっ、あの巨大な植物のヴァリアントを倒したのに?」
「多分、あれくらいならシズカさんなら簡単に倒す気がします」
「・・・話し合いの場は持てそう?」
アヤヒさんは、リナさんにそう確認しました。
「シズカ姉さまは別に戦闘狂じゃないから、話くらいは聞いてくれると思うわよ。ただ、戦闘スイッチが入ったら止められないけど」
「・・・どうしますか、アオイさん」
「私に聞くのか? 私としては、マリアに恨みはあるがシズカには無い。戦わなくて済むなら戦う気は無いが、避けられないのなら戦う事になるんじゃないか?」
「勝てますかね?」
「無理だろうな。だが、別に戦う必要も無いだろう? シズカが居るのは東京だ。そこ以外で戦えば、すぐに来ることもあるまい」
「確かに」
そういう事なら、マリアさんとだけ戦って、すぐに逃げるという手段が取れそうです。




