136話目
どうやってここを進もうか考えていた時に、急にユカリさんが立ち上がった。
「―――来るわ」
「来るって・・・ユカリさんにテレパシーを送ってきた本体ですか?」
「ええそうよ。自分が一番強いときに決着をつけたいのかもしれないわね」
敵も植物なので、ユカリさんが日を浴びて元気になるように、ヴァリアントも日の高いうちに勝負をしかけてきたみたい。
「まさか、あれなのか?」
アオイさんが敵を発見したようで、私もそっちを見る。そこには、小さな緑色の人型が居た。きっとあれが本体なんだと思うんだけど、まだ結構距離があるのに私にも見えるってことは・・・。
「ちょ、なんなのあの大きさは! 反則じゃない!」
「別にルールがあるわけじゃないが・・・とは言ったものの、あのデカさは想像していなかった」
「まずは私が遠距離から銃で攻撃してみる」
ハルカさんはトンファーを一度しまうと、ハンドガンを両手でしっかりと握って照準を緑色の人型に合わせる。距離はまだ数百メートルある。詳しくは知らないけど、ハンドガンってそんな距離まで届かないような気がするけど、弾が特別性なので当たりさえすればいいのだろう。
ハルカさんは1発撃つと、どこに着弾したのか確認し、すぐに射角を調整して次弾を撃つ。そして、見事3発目で人型に当たったみたい。
「・・・当たったが、効果はほとんどなさそうだな」
ハルカさんは、植物には体温が無いので蔓の弾丸は使えないので、今回は発射と同時にとげの様になる貫通特化の弾丸を使っていた。でも、巨体と再生力の前にはほとんど意味がなかったみたい。ハルカさんは、それでも当てれる限り当ててたけど。
そうしているうちに、植物のヴァリアントの本体は数十メートルまで近づいていた。
ヴァリアントにとっては、この距離でもすでに私達が射程距離内だったようで、一瞬にして複数のユカリさんが使っている蔓を太くしたものが地面から生えて私達に向かってきた。
「私とアオイが蔓を対処する! リナはユカリに危険がある時は守れ! カエデは隙を見て攻撃するんだ!」
ハルカさんは右手にトンファーを持つと、蔓の先端を殴りつけて方向をずらして回避する。アオイさんは持ち前の俊敏さで蔓の隙間を縫ってナイフで蔓を切りつけた。
「くっ、ナイフでは切断するには至らないか」
「私のトンファーでも効果は薄い」
リナさんは蔓が届かないよう、変身してユカリさんを担いで逃げていた。私には何故か蔓の攻撃が来ない。今思うと、ここにきてから私には一度も蔓が攻撃してきたことが無かったかもしれない。
「私が敵に突撃します!」
「カエデ、無茶だ! まずはどこに敵の弱点があるか調べる必要があるぞ」
「その役目を、私がやります!」
私は敵に向かって突っ込む。思った通り、私に向かってくる蔓は無かった。




