132話目
足元からどんどん蔓が伸びる。さすがのハルカさんも、足元から急に現れる蔓に対応するのが難しいみたいで、伸びた蔓をナイフで切っているけど、伸びる前に対処は出来ていない。
リナさんもあれから何度か蔓に捕まったけど、今はカメレオンに変化して舌の力で引きちぎっている。私とハルカさん、アオイさんでユカリさんを守るのが精いっぱいだ。
「きりがない。一体、本体はどこにいるんだ」
「周り中から生えてきているから分かりませんね」
「くっ、これでは抜け出すことも出来ん」
こうなったら、やっぱり私がユカリさんをだっこして走り抜けるしかないんじゃないかと思っていた時、ユカリさんが顔を上げた。
「私がやってみるわ。もしかしたら、対処できるかもしれないの」
「一体、何をするんですか?」
「私が根を張って、そこから毒を出すわ。毒と言っても、植物にしか効かないやつだから安心して」
「それは、ユカリさんにリスクは無いんですよね?」
「もし、蔓に私の出す毒が効かなかったら、根を切られてダメージを負うかもしれないわね」
「それはダメだ。私が何とかして守るから、ユカリを無傷でここから連れ出す方法を考える」
「私達が逃げたら、誰かがこの蔓の犠牲になるかもしれないわ。失敗しても死ぬわけじゃないからやらせてもらえないかしら」
「しかし・・・」
「植物相手にはユカリ君が一番適任のはずだ。無理そうならそれこそ一度脱出すればいい」
「私は、ユカリがリスクを負う事に反対しているのだ」
「私は守られるだけの存在でいたくないの。私も、みんなの力になりたいのよ」
「・・・分かった。危険があるようなら、私が何とかして連れ出すからな」
「ええ。お願いするわね」
ユカリさんはそう言うと、さっそく片足を地面へと突き刺す。ビキビキとアスファルトにひびが入り、そこから茶色い根っこが見えた。ユカリさんは地面の中に根を張り巡らせているんだと思う。
しばらくすると、周りの蔓がうねうねと不規則に動き出した。私達を襲う感じではなく、逃げたいのに逃げられない、そんな感じが見て取れる動きが。きっとユカリさんの毒が効いているんだと思う。
「効いているみたいですね!」
「ええ。このまま枯れなさい!」
ユカリさんが今一度気合を入れる。すると、蔓がピンと張った後、ぐったりと地面へと横たわる。そしてすぐに茶色く変化した。多分、枯れたんだと思う。
「見て、ビルに絡みついていた蔓も枯れているわ」
「本体を倒すことに成功したということだな」
ホッとしたところに、急に地面から何かが出てきた。




