127話目
※セリフはすべて名古屋弁です。脳内変換できる人は名古屋弁でお読みください
あたしのこぶしを受けて、男性が倒れ伏す。
「くそ、がっ!」
「お前の負けだ。諦めてあたしの食料になりな!」
愛知県名古屋市。ここは食料不足が深刻だ。民家や店などの食料はすでに盗りつくされている。名古屋から出ればあるのだろうが、街の外には怪物が居る。ただの犬だと思われたが、そいつは死なない。バットで殴りつけてもすぐに治る。そして、そいつにそのまま食われる。
犬以外にも、知性を失って力だけを得た人間もうろついている。そいつも人を見つけたら襲い掛かってきて、結果は犬の時と同じだ。恐らく、致命傷になるまで長い時間食われ続けると思われるので、絶対に街の外へ行きたくない。
この街の使徒様ならそいつらも殺せるのだろうが、そんな無駄な事をしてくれない。使徒様達にとっては食料に困らないからだ。いくらでも他人から奪えるし、渡さなければ殺される。むしろ、街から逃げ出されたら食料が減って困るんだろう。
火は比較的楽に手に入る。力を得た使徒様なら、簡単に火を起こせるからだ。その代わり、食料の半分を渡す必要があるが、死ぬよりましだ。使徒様はこうして食料を得られるので、わざわざ自分から食料を狩りに行く必要は無い。
数か月生き残ることが出来た。あたしには戦いのセンスがあったのか、生き残ることが出来ている。
「今のあたしなら、街の外へ出ても生き残れるか?」
あたしは警備の隙を見計らって街の外へと出る。うまくいけば、見つからずに他の街まで行けるかもしれない。
しかし、この街に食料が居ることを学んでいるのか、犬があたしの匂いを嗅ぎつけてきやがった。
「あたしを簡単に食えると思うなよ!」
あたしは左腕を犬にかみつかれたが、そのまま地面に叩きつける。しかし、凹んだ顔面もすぐに治っていく。腕が食いちぎられる前に、あたしは眼球、喉などの生物的な弱点を突く。両目を潰したら、犬は驚いたのか逃げて行った。
「はぁ、はぁ、生き残れた・・・」
ふと左腕を見ると、食いちぎられそうだった腕が治っていた。
「まさか、あたしにも使徒様の力が・・・? けど、そんな話聞いたことが無いぞ」
あたしは一度、名古屋へ戻る事にした。あたにし何が起こったのか。その確認をしなければ。




