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ゾンビにされた  作者: 斉藤一


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116話目

「それで、これからどこへ向かうんだ?」

「このまま南下するなら、一番近い街は兵庫になるかな」


 ハルカさんの問いに、リナさんが答える。私達は南下しつつ情報を集めなければならないので、ルートはほぼリナさん任せになる。


「兵庫か。確かに大都市だが、大阪に比較的近い場所だな。何かあるのか?」

「何かあるというよりも、有馬温泉が大好きなお姉さまが街を治めるなら絶対にそこだと譲らなかったんだよね・・・」

「温泉だと? 温泉に入れるのか?!」


 アオイさんがリナさんの胸元を掴みながらガクガクとゆすりながら聞く。


「アオイさん、そんなに揺らしてると答えられないですよ」

「――ああ、悪い」


 アオイさんがリナさんの服を離すと、けほけほとせき込みながらリナさんが答えた。


「うん、高橋李依(CVイメージ リリス)お姉ちゃんは温泉が大好きだから」

「なるほど。仲良くなれそうだな。私も是非温泉へ入りたい」

「だったら、次の目的地は神戸でいいよね」


 こうして、ある意味温泉が目的地として神戸が設定された。


「勝手に私達できめちゃいましたけど、ハルカさんもそれでいいですか?」

「構わん。私はユカリさんの護衛だ。ユカリさんが行くなら私も行くだけだ」

「私はカエデちゃんの行きたいところについていくから、行先はカエデちゃん達が決めていいわよ」

「分かりました、ありがとうございます」


 ハルカさんの許可も貰ったので、正式に神戸行きが決まりました。


「ところで、皆はどうやって大阪まで来たんだ?」

「どう、とは?」

「移動方法だ。東京から来たのだろう? 動いている車でもあったのかと思ってな」

「聞いてください、ハルカお姉さま! 徒歩です、徒歩なんですよ! 徒歩でここまで来たんです!」

「徒歩で? 結構な距離があるが、食料などはどうしたんだ?」

「それも聞いてください! 私以外、食料とか要らないんですよ! それに、移動速度がものすごく早いんです! 私がついていけないほどに!」

「リナがついていけないほどだと? リナちゃん、別に運動が苦手じゃなかったわよね?」

「苦手じゃないですよ。むしろ、得意な方だと思ってます」


 ハルカさんが素の言葉でリナさんに尋ねる。確かに普通ならリナさんは早い方だと思う。けれど、普通じゃない私とアオイさんに比べたら劣るというだけの話で。


「ユカリさんはどんなもんでしょう?」

「私はそこまで早くないわよ。まあ、休憩は要らないけれど」

「ユカリさんもですか?! 私だけがまるで体力が無いみたいな感じになるじゃないですか!」


 ハルカさんは自衛隊で鍛えたため、体力は一般人よりもかなりあるみたい。実際、訓練で私やアオイさんと戦った時も息は切れてなかったし。

 そして、実際に軽く走ってみることになった。普通に走るとユカリさんが一番遅かったけれど、足を根っこにして走ったらリナさんが一番遅かった。つまり、これからの移動もリナさんに合わせた移動速度となるようだ。

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