113話目
「ユカリさんが出してる種と普通の種って違うんですか?」
私はふとした疑問をユカリさんにした。
「そうね。種は私が品種改良をして強化したものになるから、普通の種とは違うわね。例えば、暑さや寒さに強いホウレンソウとか、1年で2回とれる果樹とか」
「それはすごいですね!」
「ああ。そのおかげで大阪での食料自給率は他と比べ物にならないほど高い。すべてユカリのおかげだ。だから、ここでユカリの重要性が分かるだろう?」
「だからこうして、必要な種をすべて残して行ってあげるって言ってるじゃない」
「今後も何が必要になるか分からない。それに、改良案はいつ思いつくかもわからんだろう?」
「オミさん達も結構長い間、改良案を考え抜いていたじゃない」
「だが、いつもっといい案が浮かぶか―――」
「別に、ずっと居なくなるわけじゃないわ。アヤヒちゃんが見つかれば、その時はもう一度ここを訪れるって約束するわ。いいわよね、カエデちゃん」
「はい、構いません。ユカリさんとアヤヒさんが居るなら、どこでもいいです。あっ、今はアオイさんも一緒に居てほしいです」
私がそう言うと、リナさんが何か言いたそうにしていたけど、結局何も言わなかった。本当は私もリナさんに一緒に居てほしいけど、リナさんは東京に居場所がある。きっと私達とは一緒に居られないだろう。
「じゃあ、そういう事だから、もっといい案があるならその時に作ってあげるわね」
「・・・分かった。ハルカ、ユカリをしっかりと守るんだぞ」
「はい、かしこまりました」
オミさんは余程ユカリさんの事が心配なのか、ハルカさんはユカリさんの専用護衛になるみたいだ。私としても、ユカリさんの事を守ってくれるなら文句は無い。
「ところで、ハルカは強いのか? ランク4とは言え、強いとは限らないだろう? 本当に護衛として役立つのか?」
「ほぅ、ハルカの強さを疑うか。訓練用の施設がある。そこで強さを見極めてみるか?」
アオイさんがハルカさんの強さを疑うような発言をしたため、オミさんが挑発ととらえて模擬戦を申し込んできた。防衛隊長をしているハルカさんが弱いとは思わないけど、実際の実力を見たいとは思うので、私も楽しみだ。




