109話目
私達はハルカさんに連れられて銀行まで来た。銀行の周りは壁で囲まれていて、近代的な扉が出入り口となっているみたい。
「本来ならここに来訪者の身分証を通すんだけど、今回は私のIDカードで認証するわね」
ハルカさんがそう言うと、ポケットからカードを取り出して、扉に据え付けてある装置のスリットに通した。
『確認しました。通行を許可します』
扉から女性の声がしたあと、扉が開きました。
「皆はここまででいい。通常の勤務に戻ってくれ」
「「「「はい!」」」」
ハルカさんは、他の4人を帰らせると、リナさんの方へと向きました。
「・・・リナちゃん。一応、警備室で上のカメラでも確認しているから、誰かのカードを奪ってスリットに通しても無駄だからね?」
「そ、そんなことしませんよ!」(前に透明化して探ったの、バレてないわよね・・・?)
「そうそう、中は新しくサーモグラフィも設置されたから、例え透明になっても体温で見つかるからね」
「そ、そうなんですね・・・」(バレてる!?)
リナさんが冷や汗を流しながらハルカさんについて歩いていくのを黙ってみていると、少し面白いかも。
銀行の中は複雑な作りに作り直されたみたいで、廊下が時々行き止まりになっている。おかげで、上に行ったり下に行ったりしないとオミさんの所へつけないみたいで、迷子になりそう。
「複雑すぎて、迷子になりそうですね・・・」
「中に侵入されることを見越してここまで作り込むとは、よほど用心深いようだな」
「ここは重要な情報が集まるところだから、一番厳重にしてあるわ」
「これだけの電力、水力発電だけで賄えるものなのか?」
「数年前に近くの火力発電所を再稼働させた。そういう専門の知識を持つ人を積極的に集めているから、今は大抵のものを作ることが出来る。部品は3Dプリンターで作っている。例えば、こういう物もある」
ハルカさんが、ホルスターから拳銃を取り出した。プラスチックで出来ている様に見えるので、ただのモデルガンに見えるけど。
「3Dプリンターで作った拳銃だ。実弾を発射することが出来るが、使徒には効果はほぼ無いな。むしろ、力を持たない一般人が獣などから自衛できるように作っている」
「わぁ。銃なんて初めて見ました」
「確かに、銃弾程度じゃ使徒を殺すのは不可能だな。一般人への威嚇にはなるか」
上を見ると、時々機関銃の様なものが配置されているのが見えます。私達には恐らく効かないけど、普通の人にとっては脅威だろうから、防犯になるのだろう。
迷路のような通路を歩いていると、一つの部屋についた。正直、今が何階のどこなのか全くわからない。
「ハルカです。リナを連れてきました」
「入室を許可する」
部屋に入ると、そこにはリナさんと同じくらい幼い少女が立っていました。




