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ゾンビにされた  作者: 斉藤一


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107話目

 リナさんの食事が終わり、私達は再び大阪へと向かいます。


「あ、言っておくけど、大阪って言っても大阪府全部がオミの管轄じゃないわよ? 日本銀行大阪支店を本拠地にして、その付近だけ管理している感じね」

「どうして銀行を本拠地にしてるんですか? 大阪なら、もっと良さそうな建物がいっぱいありそうですけど」

「理由の一番は、セキュリティね。オミは簡単に侵入されなくて頑丈な建物を選んだみたい。他の建物は、観光にはいいけど防衛力という点では向いてないものばかりよ」

「まあ、そうですね。思えば、すぐ壊れそうな建物もありますし」

「ふむ。その辺も合理的な性格が垣間見えるな」

「セキュリティも厳重よ。他の街よりも遥かに復興が早いわ。適材適所を突き詰めて、さらに電気すら復旧させてるの。主なエネルギー源は近くの川に作った水力発電所ね。そういう立地からも選んだと思うんだけど、ともかく勝手な行動はしないでね」

「分かりました」


 リナさんの念入りに釘をさされたので、私は絶対に大人しくしていようと誓う。今思うと、シズカさんの時は本当に危険なことをしたと思う。もし、シズカさんが悪者だったら、アオイさんにも危険な目に遭わせてしまっていただろう。


 大阪に入り、銀行へ向かう途中は神奈川や東京と同じく畑をしている人が見える。東京みたいに体に変異が見られない人も居る。歩いている私達の事をちらりと見るが、話しかけも近づいても来ない。


「畑をしている人たちは、食料生産を割り振られた人たちなの。オミの適材適所の方針で、主に農業の知識を鑑みて配置されてる人たちね。生産ノルマがあるから、必死にやってるわ。だから、基本的に割り振られた仕事以外の事には関わらないわね」

「そうなんですね。そんなに住みにくいなら、他の場所へ行く人とか居ないんですか?」

「他の場所がここより良いかどうかはその人の判断によると思うけど、少なくともノルマさえこなしていれば生きていくのに困りはしないわ。私は息苦しいと思うけど、ここでしか生きていけない人も大勢いるって事ね」


 話しながら畑の間にある道を歩いていると、小さなものが空に浮いているのが見えた。


「アオイさん、あれって何ですか? ずっと同じところに浮いてるから鳥じゃないと思うんですけど」

「ん? ・・・ほぅ、あれはドローンだな」

「ドローン・・・って何ですか?」

「ドローンは、遠隔操作や自動操縦で飛行する無人航空機の総称だな。電力を復旧させたとは聞いたが、まさかこんな物を飛ばす余裕があるとはな」

「この街は他の街よりも人口が少ないからね。巡回する人数をドローンで賄っているのよ。でも、ドローンに見つかったってことは、そろそろ警備隊が来るわ。カエデ、絶対に抵抗しないでね」

「わ、分かっていますよ。絶対に攻撃を仕掛けたりしませんから」


 私は何度も釘をさされ、少しムッとしながらも大人しくすることを再度誓った。

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