102話目
シズカさんが、食事が終わると話しかけてきた。
「で、あんたたちはこれからどうするんだ?」
「私達は、ユカリ君とアヤヒ君を引き続き探す。どこか居そうな場所は分かるか?」
「まあ、あたしが思うには、生物なら北と南なら恐らく、南側に向かうと思うぞ。そして、次に近い使徒が治める大きな街は大阪か兵庫だな」
「あれ? お姉さま、愛知にも誰かいませんでしたか?」
「あー、愛知な。そこは期待薄だぞ。ここと一緒で力を持ったやつしかいねぇからな」
シズカさんの話を聞くと、一番初めに使徒となったのはシズカさんで、その時にはまだ使徒について何も分かっていなかった。そこで、住民全員にナノマシンを摂取させた。一部の人達は力を得て体の一部が変化し、変化しなかったものも怪我がすぐに治るとあってデメリットは何もないかと思われた。
けれど、食料が不足してくると話が変わった。食料の取り合いでけんかに発展し、怪我を負う。すると、怪我がすぐに治る。そして、喧嘩が続く。結局、ナノマシンがエネルギーを使いつくす―――つまり死ぬまで喧嘩が続く事態が多発したのだ。
食料の増産、供給はすぐには出来ない。最終的に、強者のみ生き残ったのがここ神奈川と愛知だった。他の街は、少なからずこの経験を活かし、住民の選別と食料増産を計画し難を逃れたのだ。
「あそこに入り込める奴なんてほとんど居ないだろ。やつらは、食料を確保することに関しては狂気を感じるからな。近づいた奴は即排除、これが基本だろ」
「だったら、そこへ行っていないことを祈って次の街に行った方がよさそうですね。多分ですけど、そういう場所ならユカリさんもアヤヒさんも近づきません」
「まあ、先に確率が高そうな街へ行く方がいいだろうな。それじゃあ、私達は出発するか」
私とアオイさんが立ち上がると、リナさんも立ち上がった。
「リナさん、どうしたんですか? トイレですか?」
「え? 出発するんじゃないの?」
「ああ、見送りしてくれるんですね。てっきり、無理やりついてこさせたので嫌われてるのかと思っていました」
「何言ってるのよ。私も大阪に着いていくわよ。っていうか、私が居ないと大阪に入れないわよ」
「そうなんですか?」
「大阪を治めているのは第四使徒って呼ばれてるアイツだからなぁ。確かに、知らないやつが行っても話にならないかもしれんな」
「でも、リナさんはいいんですか? 私達は助かりますけど、リナさんにメリットはありませんよね」
「私も、もう少し情報を得たいと思って。マリア様が何を考えているのか、もっと詳しく知りたいの。だから、それぞれの街のお姉さま達に会いたいと思っているのよ」
「それなら、同行をお願いしてもいいですか?」
私達は再び一緒に行動することになった。というのも、真の使徒のほとんどがリナさんの知り合いだから。よく考えたら、真の使徒に成れるのはマリアさんに近いDNAを持つ人たちだから、必然と近い親戚になるんだろうね。それなら、リナさんの顔見知りだというのも納得できる。




