↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その聖女、ゴリラにつき  作者: 時任雪緒
第1章 幸福な子ども時代

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/139

1-19 試練 上

「はい! よろしくお願いします!」


 浮かれる私に、祖父がジト目を向けてくるが気にしない。


「シヴィル、本当にいいの?」

「うん」

「狩りにも行けないわよ?」

「あ」


 それは嫌だ。すっかり忘れていたが、どうしても行かなきゃいけなくなった時の条件を追加せねば。


「ギデオンお兄様、辺境伯家に入るにあたり、一つ条件を付けても構いませんか?」

「内容にもよるが、言ってみなさい」

「第3騎士団に入れてください」

「騎士団に? そなたがか?」

「はい」


 少なくとも騎士見習いや従士であるうちは、結婚とか婚約が出来ないというルールがある。そんなものに現を抜かすくらいなら訓練しろということだ。

 そのルールのせいで、騎士の叙任を待たずに従士で辞めちゃう人もいる。このルールを利用しない手はない。こちらは政略結婚などさせられてはたまらないのだ。

 それは当然ギデオンお兄様も気づいたようで、眉間に皴を寄せて唸っている。


「正直、第3騎士団は、騎士団の中でも一番出動率が高いために、訓練も厳しい上に、かなりむさくるしいのだが……」

「私は5歳から毎日訓練しています。多少厳しいくらい、苦になりません!」

「一応そなたは聖女として……」

「実際には聖女じゃないですし、魔法も使えないので、教会でご指導いただく理由もありません。それならその時間を訓練に当てたいです」

「……どうしてもというなら、今日連れてきた騎士達全員に勝てば、認めてやらんこともない」


 騎士に勝て? いや、それは流石に無茶では? しかも複数相手は、かなり厳しくないかい?

 これは私を騎士団に入れる気は、さらさらないわね。


 私が動揺したのを見て取り、ギデオンお兄様は好戦的な目を向ける。


「怖気づいたか? ならダメだ」

「や、やります!」

「真剣勝負だ」

「っ! 望むところです!」


 し、真剣なんてズルい! 人相手に使ったことないよ!

 でもやると言ってしまったし。くそう。



 祖父が私の剣を取りに行ってくれている間に、訓練場に移動した。母と準男爵様、イザイア様が心配してくれている。私も心配だよ。大丈夫かな。

 ついでと言ったらなんだけど、騎士は合計8人もいた。その8人全員に真剣で勝たなきゃいけない。こんな無茶苦茶な条件なので、騎士からも心配された。そりゃそうだ。


「お前たち、相手が少女だからと手加減するな。彼女はあの「剣鬼」ゴリンデル殿の孫娘だ。全力でやれ」


 お兄様が酷い。私はお兄様に嫌われているのかな。

 騎士達は戸惑いつつも、上官の命令に逆らうわけにもいかないので、戸惑いを振り切った目をして、スラリと鉄の剣を鞘から抜いた。

 私も覚悟を決めて、強化マシマシで腰だめに構える。


「始め!」


 ギデオンお兄様の合図で、試練が始まった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。