幕間
女神様には、話してませんでしたね。
本官とミルホワ様が出会った、事件の話については。
竿役……じゃない、皇太子グラシエも。
残忍な悪役令嬢フリュンも。
どちらも、殺害したのはミルホワ様です。
今回の事件のポイントは一つ。
ミルホワ様がどのようにしてフリュンの死体を隠したか、です。
ここで彼女の魔法について確認しておきましょう。
小物を収納する程度の魔法《ハダンノキコン》は指定した対象を異空間に引きずり込み、指定した位置に対して自由に引き出すことが可能となる強力な固有魔法です。その射程距離は数十メートル程度となり、接触することなく対象を指定可能、更には対象となるのは生物・非生物を問いません。
弱点があるとすれば、そう。
名前のとおり小物しか収納できない――
収納できる重さには制約がある。
つまり、フリュンを丸ごと異空間に収納することは不可能です。
加えて、ミルホワ様は王宮を一歩も出ておりません。
さらに、王宮の内外は魔法干渉を防ぐ結界で隔てられいる。
では、どのようにして死体を隠したのか?
……あっ。
大事なことを思い出しました!
ミルホワ様にご馳走されたハンバーグ、以前にも似たような味を食べたことがあったんでした。
あの事件よりも、ちょうど――
10年前でしたっけ?
それでは問題編が終わりましたので、
産地偽装問題編へと移りましょう。
新町古都子あらため、
コトコ・アラマチでした。




