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続前日譚 選択の日
ある日。
町に“それ”が現れた。
“穴”。
何もないのに、そこにある。
見ているだけで、削られる。
「……っ」
膝をつく。
そのとき。
「見えてるんだね」
声がした。
振り向く。
そこにいたのは——
未来の自分だった。
「……は?」
理解できない。
でも、わかる。
「……これ、私?」
未来の私は、笑った。
「そうだよ」
「……何それ」
「こうなるの」
あまりにも軽く言う。
「見すぎるとね」
その言葉に、寒気がする。
「ねえ」
未来の私が言う。
「これ、どうする?」
“穴”を指差す。
「……どうするって」
「壊すか、残すか」
単純な選択。
でも。
「……壊したら」
「町が崩れる」
「残したら」
「人が消える」
沈黙。
「……そんなの」
選べるわけない。
でも。
未来の私は、静かに言った。
「選ばないと、全部なくなるよ」




