14/17
続前日譚 星が落ちる夜
その日の夜。
空が、裂けた。
「……っ」
耳を塞ぐ。
あの音は、忘れられない。
世界が、悲鳴をあげてるみたいだった。
星が落ちる。
いつもなら、願いを込める。
でも、その夜は違った。
光らない星。
「……何、あれ」
気づいたら、走っていた。
森の奥。
静まり返った場所。
そこに——
あった。
黒い塊。
星のはずなのに、光っていない。
「……触っちゃダメ」
そう思った。
でも。
手が、伸びた。
触れる。
その瞬間。
何も起こらなかった。
「……え?」
普通は、何かが起きる。
力が流れ込むとか。
体が軽くなるとか。
でも。
何もない。
ただ一つ。
「……影?」
自分の影が、ほんの少しだけ——
遅れて動いた。




