現実主義者と肌の色
どうすんだよこの状況。
なぜか変な誤解をして出て行った隊長と、それを追いかけて行ったナリアッテ。
1人残された私。
する事ないので、メイク直そうかな?
いやいや、結構張り切ってやってくれたのに直すわけには、あーでも仕上がりがイマイチだし。
いやいや、ここではこのメイク法が主流なのかもしれないし、あーでもすれ違った人にこんなメイクの人いなかったし。
いやいや…
で、結局少しいじる事にした。
で、やりすぎた。
フルでメイクをし直してしまった。
といっても、凄く適当な、気合もへったくれもないナチュラルメイクですがね。
さっきのよりはましかも。
ああ、本当にメイク担当の人ごめんなさい。
貴方の腕が一流なのは認めます。
でも、黄色人種の私の顔を、白人用のメイク色でするのはどうかと思うのです。
ベースから違うから!
だから直してしまいました。
すみません。
と、心の中で謝った。
しかし、よく解った。
この国に黄色人種はいない。
いるならば、ファンデーションの色が揃っているはずだ。
でも、茶色とかその他の色も揃っていたから、この国には白人以外の人種もいるのだろう。
だがしかし、黄色人種はいない。
これは非常に重要だ。
私がもし城外に出る事があれば、かなり目立つ可能性がある。
肌が見えないように工夫しても、絶対はない。
肌が見えた途端、トラブルに巻き込まれるのはごめんだ。
しかも、独り立ちした場合、肌の色が障害になったりするかもしれない。
就職できないないとか何とか。
これは早急に、この国の歴史なりなんなりを調べないと、私の計画が頓挫するかもしれないと思った。
そんな事を考えていたら、2人とも帰って来た。
「お帰り?」
と言うと、2人とも固まる。
首を傾げても反応なし。
なので一歩近づくと、なぜか目が泳いでる。
アッ。
メイクか!
やっぱり、あの侍女さんがやったメイクでないと駄目なんだ。
このメイクだと、正装している時何か礼義的に問題でもあるのかもしれない。
異世界とかいう以前に、異なる文化の礼義や慣習が違うのは当然だし、メイクにだって、不適切なものもある。
チークの色だけ直す、とかにすればよかった。
どうしよう。
又、侍女さん呼ばないとだめかな?
そもそも時間あるのかな?
うわ。
やっちゃったよ。
「あの、ナリアッテ、メイク変えちゃったけど問題あったかな?何なら、今から元に戻そうか?」
といって、洗面台を指さした。
「とんでもありませんわ!あの、とてもとても素敵です。先程より断然!なんて事でしょう。先程の侍女はく…」
と、待て待て、クビとか今不穏な事言おうとしてなかった?
そんな事で、クビ切られたらたまらん。
てか、権限強いなナリアッテ。
「お、落ち着こう、ナリアッテ。恐らくメイクの色がそろってないんだけだよ。ほら、私の肌色こんなのだし。ね?クビにするなんて、時期尚早だよ。だめだよ。ね?隊長も何とか言って下さいよ」
と、隊長にも振ると、
「う、うむ」
と、なんとも気の抜けた答えが返ってきた。
心ここにあらずな感じだ。
何かあったのかな?
「取り敢えず、用意もできたし、そろそろ行きましょうか?」
そう言って、私が皆を促した。
そして、私たちはこのファンタジー部屋を後にした。
取り敢えずこの部屋、模様替えしたい。
せめて色だけでも変えさせて。
これ、誰に言おうか?




