40 《三人》
俺達がこのダンジョンに飛ばされてから二週間が経過した。
生息しているモンスターも大方把握したし、ボスの部屋も確認した。
あとはボスを倒すだけだ。たが、本来ボスモンスターというものはたくさんのプレイヤーが束になってやっと倒せるような存在だ。
たがこのダンジョンのボスは特殊なモンスターだ。
名前は《ヒューマン・ザ・シャドウ》
奴らはプレイヤーの姿に自らの姿を変えるモンスターだ。
その姿は本物と全く同じ。しかもパラメータや思考回路までもを完璧にコピーしてくる。
奴らを倒す方法は一つ、戦いの中で自分より強くなる事。
「エイト、あっちでは何が起きているかも分からないわ、一刻も早くここを脱出しないと……もしかするともう死者が復活しているかもしれないわよ」
エリカが急に立ち上がり、真剣な顔で俺に言う。
俺達は、いい感じの洞窟を拠点に活動している。
エリカが言うにはこの洞窟はモンスターの近づかない安全エリアらしい。
だがこことももうお別れだ。なぜなら俺達はこのダンジョンを今日脱出する。
「よし、いくか」
俺がそう二人に呼びかけ立ち上がった時、メッセージが一通届いた。
ん?アカホシか……あっちからのメッセージは届くのか……そう思いながらそのメッセージを確認する。
『このメッセージをエイト君が見る頃には俺は死んでいるだろう。君がどこで何をしているのかは知らないが生きているんだろう。雨天の力は強大だ。そして雨天の固有スキル【鏡映】は敵のスキルをコピーするスキルだ、それには注意してくれ。君なら奴を止めてくれると、俺は信じている。』
「ん?どしたのお兄ちゃん?」
明里が心配そうに俺の顔を覗き込みながら聞いてくる。
だがその声は俺の耳には入ってこなかった……
────嘘…だろ……また守れなかった……




