36 《始動》
───第五十五階層、《アーク・シティ》────
エイト達が消えてから一週間がたった。
あれからミーシャ達への連絡はまだ一つもない……
今日は《世界の破壊者》の会議があるのでミーシャとソフィア、シリウスの三人で第五十五階層にある、ギルドハウスに来ていた。
ギルドハウスといってもかなり広い。
しかも迷路のような造りになっているので下手すると迷ってしまうほどだ。
見張り番の横を通り過ぎ、中に入る。
「ミーシャ、あの三人が心配ね」
ソフィアが急にミーシャに話しかける。
「心配ですが、あの三人がそう簡単にやられるわけないですね、たぶん」
「まぁそうね。そうと分かればさっさと会議室に行きましょう、遅れたら多くの人に迷惑をかける事になります」
ミーシャ達は少し時間がかかったが、ちゃんと会議室に辿り着いた。
会議室に入るとすでにミーシャ達三人と見張り番の二人を除くメンバー全員が席に付いていた。
現在《世界の破壊者》の総勢は約八十人。
攻略ギルドとしては少ないメンバーだが戦力は他のギルドと比べてかなり高い。
なぜならメンバーはレベル百越えの精鋭しかいないからだ。
他にも攻略組はいるのだがほとんどは《世界の破壊者》が攻略している。
ミーシャ達三人が席に付くとリーダーのアカホシが話し始めた。
「ついに我々は先日七十三階層を攻略する事に成功した。今日集まってもらったのは攻略の事ではなく、PKギルド《八咫烏》の最近の動きに関してだ」
最近《八咫烏》によるPKは全くというほど無い。
一呼吸置き、アカホシは話しを再開する。
「奴らは我々を一気に壊滅させるつもりらしい……この情報はある情報屋から仕入れたものだから確信は持てないが、いちよう頭に入れておいてくれ」
アカホシが言い終わると同時に会議室のドアが大きな音を立てて勢いよく開き、HPバーがかなり減少している見張り番が入ってきた。
「やつ…らがっ……八咫烏が……攻めてきた……」
「なんだとっ……!?」
アカホシをはじめ、《世界の破壊者》のメンバー全員が驚愕の表情を浮かべる。
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黒ローブの女が雨天に駆け寄り言葉をかける。
「雨天様、始めましょうか……」
「あぁ……始めようか……《支配計画》を……」




