35 《影の森》
────《シャドー・フォレスト》
「……ん……んん?」
まだぼやけている目でまわりを見渡す。
なんなんだこの森は……今まで攻略してきたエリアとは明らかに雰囲気が違う……
見渡す限りに枯れ果てた植物が目に飛び込んでくる。
「エイト……」
声がした方に目をやると明里が気を失っていて、エリカがこちらを真剣な顔で見ていた。
「和也って人は……一体……?」
「エリカ、話しはあとにしよう。囲まれてるみたいだ……」
前方に二匹、後方に二匹……合計四匹か……
七十三階層レベルのモンスターなら問題ないんだが、ここは和也の言っていた事が本当なら隠し階層だ。
ここのモンスターの強さが分からない以上、一撃死だって無いとはいえない……
ここは逃げるのが先決だろう……
「エリカ!逃げるぞ!走れ!」
エリカに呼びかけ、明里を抱きかかえて走る。
後ろからモンスターが追いかけて来ている。
薄暗くてどんなモンスターかは、はっきりと分からないが、気配がどんどん近くなって来ている。
俺達以上のスピードで走っていると言う事か……
───【飛斬】────
俺が後方にスキルを放つ、だがモンスターはその攻撃をかわしてさらに速度を上げて突っ込んでくる。
「くっ……!?」
「ガゥッ!!」
飛び込んで来た白い生き物を間一髪で避けて、モンスターのデータをスキルを使い解析する。
《ロイヤード・ウルフ》 Lv97
銀色の狼……見たことないモンスターだな……まぁ当たり前か……
現在の俺のレベルは121、一体なら問題ない……だが相手は四体……まぁ幸い、明里とエリカがいるし、全然大丈夫だろう……
エリカはレベル119、明里は106で二人ともかなりのやり手だ。
まぁ一人寝てるけど……
「明里〜起きろ〜朝だぞ〜」
「ふぁぁ、おはよう兄さん。……って!?えっ!?なになにっ!?なにこの状況!?」
「見れば分かるだろー?モンスターに囲まれてんだよ」
「ちょっとエイト!!話している時間はなさそうよ」
「ガルルゥゥ!」
銀色の狼が飛びかかってくる。
俺は高速で刀を抜いて抜刀斬りをお見舞いする。
狼のHPが僅かに減少し、体制を崩す。
そこにすかさずスキルを叩き込む。
「【加速連撃】っ!!」
このスキルは合計八連撃を繰り出しながら、攻撃速度を上昇させるスキルだ。
この前、攻略の時に習得した武器スキルだ。
俺の攻撃が終わると狼は光の粒となって消えた。
他の二人もちょうど倒し終わっていた。
俺が確認していると、死角から狼が飛び出して来た。
反応が遅れた……避けきれないっ……!
「……ぐっ!?」
攻撃をもろにくらった衝撃で吹き飛ぶ。
同時にHPバーが十分の一程減少する。
攻撃力はかなり高いみたいだな……まぁHPも防御力も低いみたいだが……
俺を吹き飛ばした狼は、エリカに腹部を突き刺され、明里に首を斬り落とされ、光の粒となった。
美少女二人組が狼を突き刺して首を落とすというのはかなりシュールだ。
「……よし……エリカ、明里。とりあえずどこか安全そうな場所さがそう」
「そうね、ここで寝るなんて危険すぎるもんね……」
エリカが答える。
しばらく歩いていると、ふと思った……
ここは、モンスターは桁違いに強くて種類も全く違うが、一階層、《ファースト・フォレスト》に似ている……
「ねぇエイト……和也って人は一体……」
「和也は……俺の親友であり、水無月一斗の息子だ。」
プロローグのゲームマスターのセリフを変更しました。
設定など大きく変わっています。
ご注意ください。




