33 《中3の夏》妹の選択
予約投稿ミスで遅くなりましたすいません!
「明里、怪我ないか?」
これが病院で気が付いた時のお兄ちゃんの最初の一言だ。
お兄ちゃんに怒られるんじゃないか、責められるんじゃないか、恨まれるんじゃないか、そう思っていた私はこの一言で救われた。
私は本当にダメなやつだ。
お兄ちゃんはちゃんと私を注意してくれていた、それでも言う事を聞かなかった私が全部悪いのだ。
なのにお兄ちゃんが怪我をした、しかも今後の生活に関わるような大きな怪我だ。
一歩間違えば死んでいたかもしれない……
しかもお兄ちゃんは怪我の後遺症で大好きだった剣道ができなくなってしまった……
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい本当にごめんなさい
何度謝っても謝りきれない……私はお兄ちゃんの人生をぶっ壊したのだから……
強くならなきゃいけない……今度は私が“兄さん”を守るために……
私は兄さんのあとをついで剣道を始める事にした、防具などはもちろん兄さんの物など使わない……いつか戻ってくる、私はそう信じているから。
兄さんは退院すると、事故などなかったかの様に接してくれた、だから私も事故の事は口に出さない様にしよう……そう思った。
時間は過ぎて行き、私は中学二年生、兄さんは高校一年生になった。
私はまだ剣道を続けている。
最近は私も強くなってきて、楽しくてしょうがないのだ。
兄さんは相変わらず優しい。
家の玄関のドアを開けて家の中にはいる。
リビングに入ると、お兄ちゃんがソファに座っていた。
「お、明里。おかえり。学校どうだった?」
「ただいま兄さん、学校は普通だったよ」
「そっかー。てかお前、中二にもなってまだぺったんこなのか?いつになったら大きくなるんだろーなぁ?」
前言撤回、気には掛けてくれる、でも言葉に少しトゲがある。
これが冗談だって事は頭では分かってる、でもつい言い返してしまうのだ。
「うるさいっ!私だっていつか大きくなるしっ!そんなところばっかり見てるから彼女が一人もできないんですー」
兄さんは私の言葉を聞くと、「うっ」と言って落ち込んだ様子でテレビの方に体ごと向いてしまった。
ある日、兄さんは大喜びで帰ってきた。
「おい明里っ!《クリエイト》って言う会社が開発したゲームなんだけどさっ!これがなんかすげーんだよ、この中なら俺も多分自由に刀を振り回せるらしいんだ。ボソボソ……(社長が水無月なんとかって言う人なんだけど和也の父さんとかじゃないよな……なんか嫌らしい感じの人だったしそうであってほしい……)」
なんだかボソボソ言っていたのは聞き取れなかったが、兄さんが刀を振り回せるゲームだって事はわかった。それだけで私が知りたくなる理由は十分だ。兄さんがゲーム好きなので私も結構ゲーム好きだ、お金も少しは溜まっているし大丈夫だろう……
「なんて名前のゲームですか!?」
「え?あ、《World Quest Online》だよ」
兄さんと一緒に刀を振り回せるかもしれない……私の頭の中はそれだけだった……
これでいちよう過去編完結です。




