27 《希少武器:妖刀》
朝、早起きしてジョンの店に向かう。
二回戦は12時からだ、今の時刻は7時、何もなければ余裕で間に合うだろう。
ドアノブを回して扉を押すと『カランカラン』と音が鳴りドアが開く。
「お、来たか、エイト。すごいのができちまったよ」
「どんな刀なんだ?」
「ほらよ、これだ。《希少武器:妖刀》だ。名前は神羅」
そう言ってジョンは俺に刀を差し出す
俺はそれを受け取って能力を確認する、攻撃力もかなりのものだが、《攻撃時HP小回復》が付いていた、多分これは武器特有の能力だろう…
太刀の能力は《連続攻撃速度上昇》だった。
熟練度が上がれば、回復量も増えるのだろうか…太刀の時は《連続攻撃速度上昇》がいつの間にか《攻撃速度大上昇》になっていたが…
「ありがとな、行ってくるわ!じゃあな、ジョン!」
時計を見るともう結構時間がたっていた。
俺は走ってダンジョンに向かう。
さすがに熟練度0でエリカに勝てるとは思えない…
ワープゲートをくぐり第10階層に移動する。
《ワーム・フォレスト》──
現在の時刻は8時、あと4時間ある。
10時には会場に向かう予定だ。
10階層、《ワーム・フォレスト》のモンスターは比較的狩り易い、攻撃力は高いがHPが少ないモンスターがほとんどだ。
だが虫系の気持ち悪いモンスターが多い…
走りながら、大量のモンスターに襲われる罠、モンスターボックスを探す、この階層ならモンスターボックスで死ぬ事は気を抜かなければ絶対にない…モンスターを一匹一匹探すよりは効率がいい。
しばらく走ると大きな蜂の巣の様な物を発見した、恐らくこれはモンスターボックスだろう…
俺はそれを真っ二つに切断する。
すると中からブーンという音をたてて大きなハチ、《キラービー》が大量に現れた。
こいつのお尻の針には麻痺効果と毒効果が付いている、だが他の能力は他のモンスターに比べて低い、針さえ当たらなければ大丈夫だ。
針を躱して《キラービー》の体を切り裂く、それだけでHPは0になる。
右、左、上から同時に襲いかかってくるが、それを俺は体を回転させながら切り裂き、消滅させていく。
全て倒し終わる頃にはもう10時を回っていた。
熟練度を確認しながら急いで会場に向かう。
熟練度は4になっており、スキルを4つ獲得した。
連続三回攻撃スキル【連撃】。遠距離攻撃スキル【飛斬】。広範囲攻撃スキル【破断】。パッシブ系スキル【鬼神化】。
どれも強力なスキルばかりだ、スキルにも熟練度があり、使えば使うほど威力や能力が上がっていく、そして熟練度がMAXになると、スキルは派生し、もっと強力なスキルへと進化を遂げる。
そんな事を考えながら走っていると、人にぶつかってしまった。
「ご、ごめん!大丈夫!?」
そう言って前を見ると、ショートヘアの可愛い女の子が地面にへたり込んでいた。
背丈的には小学生ぐらいだろうか…
「いえいえ、私も不注意でした……あれ?メモがない…」
女の子はそう言って立ち上がると、慌てた様子で何かを探し出した。
「もしかして何か落とした?」
俺がそう聞くと女の子は泣きそうな顔でこっちを見て、「買い物メモ落としちゃいました…」と言ってきた…
俺のせい…だよね…
「俺も探すよ、俺のせいだし…俺はエイト。君、名前は?」
「いえいえいいですよ!探さなくたって!急いでいたんでしょう?遅れちゃいますよ?私一人で探しますから!あ、私はミチルです。」
「いや、時間はまだ大丈夫…買い物メモってどんな感じなの?」
本当の事言うと結構時間ヤバイんだけどね…
「白い紙です…ギルドの仲間の買い物頼まれてて…」
買い物メモかぁ…今日は風もそんなにないし、遠くには飛んで行ってないだろう…
そう思って探した結果、見つかったのだが…
俺が会場に着いたのは11時50分だった…




