白き悪魔
ライトは一人、孤独だった。ずっと耐えた。だけど…限界が来てしまった…。
日常は変わらない。
「…」
ライトは無気力に生きていた。ビクターと会った日の出来事もまばらに消えて行った。
「やーい!日本人!」
学校へ行くと暴力の日々。
「ライト!なぜ分からないの!」
先生からの説教。昼食は何もない。またトイレの水道水を飲んで空腹をしのいだ。
夕方。玄関に向かうと、囲まれた。
「来いよ」
そのままライトを校舎裏へ連れて行き、みんなのサンドバックになっていた。
「今日は帰ろうぜ」
倒れてるライトを無視して皆が帰った。
なんで…。
その頃からライトは涙が出なかった。家に着くと、テーブルに夕飯が並べられてたが、自分の分はない。
「お母さん…ごはんは?」
無視された。渋々部屋に引きこもった。
「痛い…」
床にうずくまり眠った。
早朝。痛みで目が覚めた。昨日殴られた所がひどく痛んだ。
「…」
ゆっくりと部屋から出た。まだ皆が寝ているのか、リビングに誰もいない。ゴミ箱をみると、パンが捨てられていた。ライトはそれを手に取り、食べた。
「…」
何も思わずに食べた。パンを食べ終え、蛇口をひねり水を飲んだ。そのまま外へ出た。路上にはやはり至る所に人が転がっていた。すると、主婦達の会話が聞こえた。
「最近物騒ね…」
学校に着くと、誰もいない。また暴言が書かれている机を拭いた。
「…」
拭き終えると、椅子に座り机に突っ伏しそのまま眠った。
「…っ!?」
誰かに蹴られ、床に倒れていた。
「何寝てるんだよ!」
皆がライトを指差して笑っていた。
私が…何したっていうの…。
ライトは心の奥底から憎しみが湧き上がっていた。
下校時。ライトは学校を出て家へ向かった。
早く帰らないと。
走っている時だった。
「かわいいね…」
「え?」
後ろを振り向くと、薬中の人たちがライトを見ていた。
「ちょっと遊んで行こうよ」
必死に走った。その後ろを薬中の人たちは追った。
殺される!
急いで家についた。家の玄関の扉を開けようとしたが、開かない。
「え…なんで!」
たまらずライトは窓を割って家に入った。
「チッ」
薬中の人たちは何処かへ去った。割れたガラス片が足に刺さっていた。
「…」
無理やり引き抜くと、血が流れた。
なんで…私は…。
ライトは部屋に入った。
誰も…助けにきてくれないのか…。
心が癒された感覚を忘れ、憎しみが心を包んだ。ライトの目から光が消えた。
それから数日後。
「怖いわね…誘拐犯…」
いつものように学校へ向かっていると、主婦同士の会話が聞こえた。教室に入り、いつものように机を拭いた。
「ライトいる!」
「…!」
そのまま殴られた。
「よっわ!」
皆が笑った。ライトは何も思わなかった。長い授業が終わり、下校時間になった。玄関にくると、数人にかこまれた。そのまま校舎裏に連れていかれると、気を失った。気がつくと、あたりは真っ暗になっていた。
「やばい!」
なんとか起き上がり、家へ向かった。途中、ライトは涙をこぼした。すると、ライトの前に二人の男が立ちはだかった。
「坊主。こんな夜遅くにどこへ行くんだ?」
やばいと感じながらも、痛くて体が動かない。
「家…」
震えが止まらない。
「動けないのか?おじさんたちと楽しいところへ行こうよ」
ライトの痩せた腕を掴み、無理やり人気のない路地に連れて行った。
「へへっ。今日はこいつを連れて行こうか」
「でも、連れて行く前に俺たちと遊んでからでいいんじゃないか?」
男たちの恐ろしい目つきが怖かった。
あぁ…もう…死ぬんだ。
ライトは絶望した。それと同時に、心の憎しみが渦を巻いた。
「それじゃ、服を脱がせようかな」
男たちは、ライトの体に触ろうとした時だった。
あぁ…。
心の憎しみが爆発し、ライトはキレた。自分でもよく分からないが。
いける!
フッと一瞬でライトは消えた。
「え?どこい…」
男たちがキョロキョロする中、ライトは誰にも教わってない。手で合図すると、刀が腰に収まった。刀をスッと抜き、一人の男の背後を切った。
「ぐあっ!」
男は倒れた。
「な!てっめぇ!」
男はライトを殴ろうとしたが、一瞬にして男の腕をライトは切った。
「は?」
状況が飲み込めない男に、ライトはすかさず男の胸を切り裂いた。ライトの前には骸となった物が二つ転がっていた。
「…」
その足でライトは家へと歩いた。歩いてる道中、ライトの黒髪は月光に照らされ白くなっていった。家に着くと、殺気に満ちた目で玄関を開けると、母親が目に入った。母親がライトを見た瞬間、悲鳴を上げたい。それもそのはず、ライトは刀を持ちながら、血に染まっていたからだった。母親は腰を抜かし、動けないでいた。すると、悲鳴で駆けつけた父親がライトを見た。
「お前…何やった!」
ライトは父親を睨み、刀を構えた。
「いらんもんを目覚めやがって!」
父親はナイフを片手に持ち、攻撃を仕掛けた。ライトは綿のように宙を舞い、攻撃をかわした。
遅い。
父親は次の攻撃をしようと体制を変えようとしたが、ライトは父親の背中を切った。
「ぐぅ!親を切るとは…何事だ!」
父親は逆上し、急接近した。だがそれもライトの目からしたら遅く見えた。
「…!」
鼻で笑い、口角をあげた。父親の攻撃を華麗によけ、父親の胸を切り裂いた。
「あ…が…」
父親は血しぶきを上げながらその場に倒れた。ゆっくりとライトは顔を上げ、母親を見つめた。
「あ…あああ…!」
ゆっくりと歩き、母親に刀を突き立てた。
「い…いやぁ…!」
刀を持ち上げ、母親を斬ろうとしたときだった。聞き覚えのある鳴き声が辺り一面に響き、ライトの耳に入った。
「…!」
夜空を見上げると、野生の三日月龍の群れが飛んでいた。そして、美しい鳴き声が響いた。ライトの心は癒され、目つきに光が戻った。母親はその場で気を失い、ライトは刀を魔法で消した。三日月龍はあっという間に遠くの彼方に行ってしまった。
「ふーん。これ、あんたがやったの?」
姉が帰ってきた。
「ルーマス一族は、子が親を殺すって言われてるけど、本当だったんだ」
姉は父親の骸を踏みながらライトに近づいた。
「親はいない。これで、あんたも私も、自由よ!」
姉は高々と笑った。
「…」
すると、誰かが呼んだであろう大人の人に、ライトと姉は保護された。
「…」
ライトはボロボロの服に着替えさせられた。冷たい部屋に入れられ、床でうずくまった。心の中は空っぽになった感じになり、疲れもあったのか、そのまま眠りについた。
ライト「いつもありがとうね〜」
作者「いえいえ」
ライト「書き溜めしてるね」
作者「そうですね。でも、メインがあるので、頃合いを見て増やそうかなと思いますが、今この作品は週一でしばらく続けようと思います」
ライト「無理しないでね」
作者「はーい」
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