異国の地へ
自分の父親を殺してしまったライト。彼の心の中は空っぽだった。そんな彼はある人と出会う。ライトはこの先、どうなるのか…。
「起きろ!」
男の怒声で目が覚めた。
「…」
ライトは痛い体を起こした。扉が開き、とある部屋へ連れていかれた。そこには、日本人だろうか。女性が待っていた。
「あなたがライトちゃん?」
ライトは通訳の人で女性が言った言葉を理解し、頷いた。すると、女性はライトを優しく抱きしめた。
「…!」
それは感じたことのない暖かさだった。
「ごめんね。こんなに酷くなるまで放っておいて…」
女性の涙に、ライトは言葉は分からないが、この人は安心できると思い抱きしめた。
「今日からライトちゃんの」
女性は自分を指差した。
「せ・ん・せ・い」
「せ…ん…せ…い?」
女性は頷いた。
「そう。私はあなたの先生」
「せ…ん…せ…い。せんせい」
ライトは復唱した。これがライトが初めて喋った日本語だった。
「そうよ。さて、一緒に行きましょう」
ライトの手を握り、建物を出た。タクシーに乗り込むと、発進した。
「ライトちゃん」
ライトは自分が呼ばれているのか振り向いた。
「もう。大丈夫だからね。安心してね」
ライトは首を傾げた。タクシーは走り続けると、空港が見えた。
「わぁ…!」
初めてみる飛行機に、ライトは目を輝かせた。空港に着くとタクシーは止まった。
「ライトちゃん。行きましょ」
ライトの手を握り、一緒に空港内を歩いた。人の多さにライトはタジタジだった。先生は時間を見た。
「うん。まだ大丈夫そうね。先にチェックイン済ませるね」
ライトは首を傾げるだけだった。受付で手続きを済ませた。
「ライトちゃん。新しい服に着替えようか」
「…?」
空港内の服屋にライトを連れて行った。
「すみません。この子に合う服が欲しいのですが」
先生は英語で店員に話しかけた。店員はライトの事を女の子だと勘違いし、女の子用の服を出した。
「あ…えっと…」
先生はどう言えばいいか分からない。ライトは先生の裾を引っ張った。
「どうしたの?」
ライトは店員に話した。
「私、男です」
店員はハッとして、ライトに謝った。すぐに男の子の服を出してもらった。
「こちらへ」
店員に案内され、ライトは先生が見守る中、着替えた。
「…!」
「えっ!?」
店員は先生を睨んだ。ライトの身体は細く、痛々しい痣と傷だらけになっていた。
「私じゃないです!実は…」
先生は店員に耳元で軽く状況を説明し、誤解を解いた。その間、ライトは着替え終えた。
「似合ってるね」
店員は先生がフランス語を喋れないのをわかり、通訳の代わりをした。
「…」
ライトは先生に頭を下げた。
「じゃ、これください」
先生はライトの服を買った。そのまま出国審査を終えた。
「ライトちゃん。お腹空いてない?」
一つの日本料理店に入り、席に座った。
「どれにする?」
先生はメニューを見せたが、ぼやけて見えないのと、わがままをいうと怒られると思い俯いた。
「じゃ、先生と一緒の食べようか!」
先生は注文した。
「ライトちゃん。これから私と日本へ行くのよ」
ライトは首を傾げた。先生はメニューにあった国旗を指差した。
「この国に行くのよ」
ライトはただみていた。すると、料理が運ばれた。
「ありがとう」
先生は店員に日本語で礼を言った。
「…?」
ライトは気になった。
「ん?ありがとうが、気になるのかな?フランス語だと、メルシー。日本語はありがとうと言うのよ」
「あ…り…が…と…う」
「そうよ!」
先生は笑顔で深く頷いた。先生はフォークをライトに渡した。
「あ…り…が…と…う」
「そうよ!」
ライトも先生にフォークを渡した。
「ありがとう。ライトちゃん」
ライトは少しだけ理解した。
「食べましょ?」
先生が先に食べた。
「美味しいわ」
その笑顔に、ライトも一口食べた。
「…!」
初めて食べる暖かい料理と美味しさに、涙が溢れた。
「ライトちゃん。時間はまだあるから。ゆっくり食べましょ?」
先生はライトの背中を優しく撫でた。ゆっくりと食べ終え、店を出た。
「そろそろ搭乗しないとね」
搭乗ゲートに向かった。そこには、日本人が多くいた。
「この飛行機に乗って、日本に行くのよ」
先生はライトを抱きしめた。
「あなたは、ここから変わるの。だから、安心して先生についてきてね」
意味はわからなかったが、先生を抱きしめた。飛行機に乗り、ライトは窓側の席に座った。
「ライトちゃん」
先生はライトにシートベルトを装着させた。飛行機は離陸した。
「飛んだ…」
ライトは窓から見る景色を堪能した。
「楽しそうで何よりだわ」
先生はライトを見つめた。次第にライトは疲れて先生の膝に頭を乗せ眠った。
「よく頑張ったわね。ライトちゃん」
先生はライトの頭を優しく撫でた。
「あなたの叔父さんが、私に教えてくれたのよ。でも、もっと早く行けばよかったね」
先生は後悔しながらも、ライトを連れてくることが出来たことに安心した。こうしてライトは生まれ故郷を離れ、異国の地。日本に向かった。
「ライトちゃん。大丈夫?」
飛行機から降りたライトはあたりをキョロキョロと見た。
「…」
入国審査を終え、空港内を歩いているときだった。
「…!」
ライトの耳に聞き覚えのある声が入った。あたりを見渡すと、電光画面に三人組のアーティストが映し出された。その人たちが、ライトが聞いたことのある声で歌っていた。
「ん?」
先生もそれに気づいた。
「これ?」
先生の指差す方を見てライトは頷いた。
「聴いたことあるのね。このアーティストはね。コンフィーってグループなのよ」
「こ…ん…ふぃ…?」
「そうよ。ほら」
人気ロックバンド!コンフィー!と書かれているが、日本語が読めない。メンバーの一人、エレキギターの人は髪が長い男の人だった。ライトはその人に一目惚れした。
「かっこいい…」
先生はライトがコンフィーの事を気に入ってると納得した。
「さ、行きましょう」
先生はライトの手を引っ張った。空港の外に出て、タクシーに乗り込んだ。
「今から行くところはね。あなたの家でもあるの」
タクシーは出発した。行きに見た光景とは全く違う光景にライトは何処か興味を持った。
「ライトちゃん」
ライトは振り向いた。
「もう、安心してね」
ライトは首を傾げた。タクシーは走り続け、とある建物についた。
「ついたわ。ここが、あなたの家よ」
先生と一緒に降りた。
「おかえりなさい!」
建物から一人の男性が出て来た。
「ライトちゃん」
ライトは先生を見た。
「た・だ・い・ま」
「た…だ…い…ま…」
「おかえりなさい」
男は優しくライトの頭を撫でた。
「疲れただろ?入ってゆっくり休んで。先生も」
「ありがとう。吾郎ちゃん。あ、ライトちゃん」
先生はライトを見た。
「ご・ろ・う・せ・ん・せ・い」
先生は吾郎を指差した。
「ご…ろ…う…せんせい」
「はい!呼んでくれてありがとう!」
ライトを褒めた。そのまま建物の中に入った。ここからライトの新しい生活がスタートした。
作者「この話を書く時、結構悩みました」
ライト「あー」
作者「翻訳機能でフランス語入れても良かったけど、面倒くさいじゃん。で…もういいやってこれにしました」
ライト「まぁ、いいんじゃない?翻訳が間違ってたらもアレだし」
作者「ライトさんが、日本語覚えるまではこんな感じで書いています」
ライト「アハハ〜」
作者「てか、ライトさん。ライトさんの事、人気なのか、毎日誰かしら読んでくれてるんですよ。メインも」
ライト「本当!」
作者「ありがたいことに、0PVは無いですね」
ライト「いつもありがとうございます!」
作者「読者の皆様には、本当に感謝です。完結に向けて頑張っていきますので、ぜひ覗いてみてください。評価やいいねもよろしくお願いします」




