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白き光のはじまり  作者: 三日月明楽
一筋の月光
1/3

黒髪の少年

夢を見た。暗闇を一人歩いていた。

強くなれ...。

誰かが話した。

「え?だれ?」

振り向くが誰もいない。

強くなれ...。

「え?」

また振り向くと、暗闇を歩いていたはずなのに、満天の星が広がる夜空が目に入った。

「...っ!」

目を奪われていると、何かの鳴き声が夜空に響いた。その鳴き声は恐怖を与える鳴き声ではなく、心が癒される鳴き声だった。

「なに...これ...」

するとまた声が聞こえた。

守れ...愛する人を...!

すると強風が吹いた。目を覆うと、また鳴き声が響いた。そのまま暗闇に引きずり込まれた。


フランスのとある地域にある小さな一軒家。

「ライト!学校に行きなさい!」

朝から怒鳴り声が響く。

「…!」

母親は無理やりライトの腕を引っ張り、家から閉め出した。

「嫌だ…」

渋々学校へ歩いた。彼の名はライト・ルーマス。父親がフランス人で母親が日本人の間に生まれた。幼い頃から両親からの虐待。住んでいる所では至る所に薬物の売買や接種してる人が大勢いた。

注射を打つと、ああなるのか。

彼は劣悪な環境に住んでいた。学校に着くと、同級生からの暴力暴言。黒髪の日本人顔なので差別を受けていた。

「やーい!日本人!」

「さっさと国に帰れ!」

玄関で殴られた。

「うぅ…」

涙を流した。教室に行くと、机に暴言の落書き。

「…」

先生が来る前に机をきれいにした。チャイムが鳴ると、先生が来た。

「皆さん。おはようございます」

おはようございます!

ライト以外元気に挨拶した。

「では、授業を始めます」

授業がスタートした。しかし、ライトは教科書を見てもわからない。

「…」

文字が全てぼやけて読めない。

「はい。ライト。答えて」

先生に当てられた。ライトは渋々席を立った。

「えっと…わかりません…」

皆が笑った。

「全く!ちゃんと聞いてなさい!」

先生に怒られた。渋々座り、静かに涙をこぼした。

私…何にもできない。

そのまま俯いてると、授業が終わった。授業道具を片付けようとすると、男子達が教科書を奪った。

「やーい日本人!取れるもんなら取ってみろよ!」

「やめてよ…」

取り返そうにも、男子達は教科書を投げ合っていた。

「こっちにこいよ!」

教科書を持った男子は廊下を走った。

「あっ…」

ライトも走ろうとするが、足を引っ掛けられ転んだ。

「雑魚だな」

皆が笑ったが、教科書を取り返すために廊下を走った。

「お前の教科書はここがお似合いだ」

男子はトイレの便器に教科書を投げ、何処かへ走った。

「あぁ…」

濡れた教科書をライトは手に取った。

どうして?私は、何かした?

ライトは静かにトイレで泣いた。すると、誰かが来た。

「おい!何してるんだ!サボってないで授業するぞ!」

扉を無理やり開けられ、ライトの腕を強く引っ張った。

「痛い…」

「サボった罰だ」

そのまま教室へ連行された。お昼ご飯の時間も地獄だった。

「今日、サンドイッチ持ってきた!」

皆がお昼を持参しているが、ライトは何もない。

いいな…。

静かに教室を出て、トイレの蛇口をひねって水を飲んだ。

ご飯…食べたい…。

悔しくてまた涙が溢れた。午後の授業も終わり、下校となった。トボトボと歩いていると、声をかけられた。

「日本人の坊や。一緒に遊ぼうよ…」

不敵な笑みでライトを見た。

「ひぃっ!」

ライトは必死に走った。男はライトの跡を追った。

捕まったら殺される!

やっと家に着いた。玄関の扉を開け中に入った。

「こないで!」

ライトは思いっきり玄関の扉を閉めた。

「遊ぼうよ〜」

男はまだ玄関にいる。

怖いよ。

ライトは怯えた。そのままライトは疲れて眠ってしまった。すると、背中に激痛が走り、目が覚めた。

「おい!なぜそこで寝ている!」

父親に背中を蹴られた。

「うぅ…」

そのまま髪を持ち上げられた。

「痛い!」

「うるせぇ!」

顔を思いっきり殴られた。

「汚いから、洗ってあげるよ」

無理やりシャワー室に連れて行き、冷水をかけられた。

「痛いよ!」

泣き叫ぶと、また殴られた。ずぶ濡れのまま部屋に連れてこられた。

「ライト。これあげておく」

タオルと服を置かれると、部屋の鍵を閉められた。

どうして…。

ライトはうずくまりながら泣いた。すると、また怒鳴り声が聞こえた。

「なんで私もなの!」

「お前も同罪だ!」

隣の部屋が閉まる音がした。すると、隣の部屋から壁を蹴る音が響いた。

「あんたのせいで、閉じ込められたじゃない!」

姉の怒鳴り声が響いた。ライトは耳を塞いでずっと泣いていた。これが、いつもの日常だった。

そんなある日。ライトは父親の暴力にあい、部屋で気絶していた。

「…」

目が覚めると、いつもの部屋。すると、扉の向こうから音が漏れた。扉に耳を当てると、アコースティックギターが優しく奏で、優しい歌声も聞こえてきた。

「…!」

言語が違うため、何を歌っているのか分からない。でも、ライトはどこか好きになった。

誰の曲なんだろう。

ずっと耳を当てながら曲を聴いていた。そのうちに床に眠ってしまった。

翌朝。

「ライト!あんたはもういらない!」

母親に頬を叩かれ、家を閉め出された。

「なんで…」

ライトは泣きながら、学校へ向かった。

「やーい!泣き虫!」

思いっきり頭を叩かれた。

「うっ…」

ライトは学校の入り口で足がとまった。

行きたくない…!

初めての反抗。学校を背にライトは街を彷徨った。気がつくと、山道を歩いていた。

「あれ…」

しかし、体力の限界だろう。その場で倒れた。

「もう…死にたい。いなくなりたい…」

その場で静かに泣いていた。そのまま夜になった。街頭もない暗い山。動物たちの鳴き声や風の音が響き渡る。

「私は…」

すると、何かの鳴き声が辺り一面に広がった。

「え…」

限界で動けない体が少し軽くなった。また鳴き声が聞こえると、心が癒された。

「…!何…この…」

ライトは立ち上がり、辺りを見渡した。すると、大きな白銀色の龍が上空にいた。

龍の額には青い三日月があった。

「ひっ!」

ライトは立ちすくんだ。

「あぁぁ…」

「ここに居たのか。ライト」

三日月龍はライトの前に着地した。すると、龍から男が降りた。

「探したよ。一緒に帰ろう」

優しく声をかけ、ライトを抱き上げた。

「この子はビクターだ。さっきは驚かせてごめんね」

ビクターはライトに鼻を近づけ、優しく鳴いた。

「…!」

心が癒されていく事にライトは驚いた。男はビクターの背中にライトを乗せ、男も跨がった。

「お母さんたちの事は叔父さんに任せて」

ビクターは優しく飛び立った。

「…!」

初めての感覚にライトは興味を持った。ビクターは美しい鳴き声を夜空に響かせた。

「すごい…」

「この子は三日月龍なんだ」

ビクターは嬉しそうに鳴いた。そして、ライトの家についた。

「ビクター。ライトを見てて」

男は玄関の扉をノックした。その間、ビクターはライトを見ていた。すると、玄関の扉が開いた。男はライトの親と何か言い合っていた。しばらくすると、男はライトの元にきた。

「ライト。お父さんとお母さんの元に帰ろう」

ライトは立ちすくんだ。すると、男は優しくライトを抱きしめた。ビクターは心配そうに見つめた。

「ごめんね。守ってやれなくて」

男はライトに向き合った。

「ライト。辛い思いをしたら、夜空を見て。野生の三日月龍。月光のカナリアが君を癒してくれる」

ライトは頷いた。

「また会おう」

男はビクターに跨った。ビクターはひと吠えし、飛び立った。

「…」

ライトは男とビクターを見送った。しかし、これが最初で最後の出会いだった。




作者「いよいよ始まりました。ライトさんの過去のお話。しばらくは毎週火曜日に投稿しようと思います」

ライト「よくかけたね」

作者「いや。あんたが書けって言ったでしょw」

ライト「てへw」

作者「最初っから虐待場面なのが書いててきつかったです」

ライト「ごめんね〜」

作者「ちなみに物語に出て来たアコースティックギターの音楽ですが、THE ALFEEさんの『水曜の朝午前3時』をイメージしています。なんとなくで…w」

ライト「w」

作者「完結目指してライトさんを書いていきますので、よろしくお願いします」

ライト「お願いします」

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