20話 チートな俺とギルドマスター①
は、半年ぶりですね。あはは。
こんな感じで、完全に消えはしないのでよろしくお願いします
ハマジリの街、そこにある冒険者ギルド内は今、何とも微妙空気になっていた。何故なら、本来倒す筈の魔物が目の前に居るからだ。
「ヒカネちゃーん、例の冒険者一行を連れてきたよー」
「はい、バゼタさん急な頼みでしたが引き受けてくれてありがとうございます。報酬金は後日渡しますね」
「おう、それじゃあ俺らは酒飲みに戻っていいかい?」
「ええ、お疲れ様でした」
バゼタ一行は先程まで酒を飲んでいた席に戻っていった。
「では、健太様と御一行様はギルドマスターが話しがあるとのことですので、此方へついてきてください」
ヒカネは健太達をギルドマスター居る部屋まだ案内し、その部屋の扉を開けた。
「健太様達を連れて来ましたよ、ギルドマスター」
部屋の奥のいかにもお偉いさんが座っていそうな椅子に座っているデカ男が、健太の視界に入った。その瞬間だった。
(オカマだ。巨漢であるが、女装。紛れもなくオカマだ。オカマのギルドマスターか。絶対強いな、お決まりだからな)
健太は思わず唾を飲み込んだ。ギルドマスターは一度健太と目を合わせ、その後健太の連れを見渡し、口を開けた。
「ヒカネ、ありがとうね。もう仕事に戻っていいわよ」
「はい、わかりましたギルドマスター」
ヒカネはギルドマスターに一礼した後健太達の方にも一礼し部屋を出て行った。ヒカネという癒し枠をなくしたことにより辺りはいっそう冷たくなった気がした。
「はじめまして、ギルドマスターのスリーズム・レックよ、よろしくね」
「健太だ。よろしく」
「さて、説明しておらいましょうかね。そのデカブツを街に連れて来た訳を」
挨拶の時とは打って変わって、殺気に近い何かをその目から感じた健太。体験した事ない強者を前に、いい感じに血が体を巡りはじめた。
「このゴブリンを連れて来た理由は、このゴブリン達との協力関係を築く為だ。この通り、ゴブリンの長は既に承諾しており、残りは冒険者ギルドが承諾すれば、無事、ゴブリン村と冒険者ギルドはもう双方血を流さなくて済む。何故、このゴブリンが承諾したかと言うと、今日俺がコイツらの村を襲い、力で納得させ、俺のマスタースキル《絶対命令権》でゴブリン達は俺の命令に絶対従うようになっている。だが、決してこれはゴブリンを奴隷にするものではなく、平和的解決をする為にした事だ。そのため、俺はゴブリンを殺していない。どうだ? ここは一つ魔物との問題を命を無駄にせず、解決してみるというのわ」
先程の殺気に似たような目ではなくなっており、目を逸らして「なるほどね」と一言言った後、数十秒思考すると、ギルドマスターは答えた。
「わかったわって言いたい気持ちもあるけど、ゴブリンだけじゃ終わらないでしょ健太君。きっと、他の魔物もゴブリンと同じように屈服させ、世界を救うような事をしようとしている。違うかしら?」
(マスタースキル。確か、王になる資格を持つ者のみに宿る力よね。さらに、ゴブリンの親玉を倒す程の実力者。何者なのこの子)
「その通りだギルドマスター俺は、魔物との戦に終止符を打つ為に冒険となったのだ」
「わかったわ。ではこうしましょ、私と戦って、私の半分以上を出させたら健太君の勝ち、健太君の言うことを聞くわ。だけど、もしも私の期待を裏切るような実力なら、諦めてもらうわよ」
「ほお、望むところだ。その勝負乗った!」
「それじゃあ決まりね。じゃあ、次のお話だけど、後ろの女の子達。その子達、ゴブリンに捕まっていた子達よね?」
「その通りだ」
「どうするの? 健太君にお金の余裕がないなら、ギルドで保護するのが普通だけど」
「そうだな。その方が、コイツらも安心だろう」
「そう、わかったわ」
「いや! 待ってほしい!」
後ろにいた、赤髪の子に健太とギルドマスターの視線がいく。
「その、私は健太様について行きたい。その、烏滸がましいかもしれないけど、その、健太様に恩返しがしたくて。後、健太様がこの先も私達ような人達を助けるなら、その私も助けたい! だから、その」
「俺は別にいいぞ? ついて来たかったらついてくるといい。別にいいよな? ギルドマスター」
「ええそうね、これはあなたの人生だから、私は特に何も言わないわ。他に健太君について行く子は?」
「私も、健太様についていきます」
そう言って手をあげたのは黒髪ロングの子だった。他2人は手を上げることはなく、健太についていくのはこの2人となった。
「さて、この問題も解決したことだし、そろそろ連絡取りましょうかね」
そう言って、ギルドマスターは机についている棚から、石を取り出した。そして、石を耳に近づけた。この石には魔法が込められており、遠い誰かと連絡ができるのだ。
「あらよかった。どうやら丁度あの子も暇だったみたい・・・あ、元気してた? うん。私も元気よ。ミサキも興味ありそうな子が今居るのよ。それはこっちに来てからのお楽しみ。そうなの、後ミサキに頼みたいこともあるの。ええ、わかった、待っているわね」
会話が終わるとギルドマスターは石を元あった場所に戻した。
「もう少し待っていてね。直ぐ来ると思うから」
(今の石の事も気になるが、それ以上に今連絡した人が直ぐに来るとはどういう事だろうか。今の口振りは久しぶりに話した時の反応そのものだ。だとしたら、まずここの者ではないだろう。いや、まさか引きこもっている系の奴が居るのだろうか)
少し時が経つと、ギルドマスターの机の前ら辺に足を組んで金髪ツインテールの女の子が座っていた。あたかもずっとそこ居たかのように。
「やっほー来てあげたよ、スリーズム」
「わざわざありがとうね、ミサキ」
(何!? 気づいたら机の上に女が座っているだと? これはいったいどういう事だ。まさか、俺が追えない程の速さで扉を開け、机の上に座ってみせたとでもいうのか?)
ミサキは後ろを向いてそう言った。ギルドマスターへの挨拶が終わった後、ミサキは自分が興味ありそうな子がいるという事で目の前に居る中から探す事にした。
「うーん、ん!? 待って、君、まさか、異世界の人!?」
(な、何!? いきなりバレただと!? 何なんだこの女。いや、慌てるな佐藤健太。冷静さを失ったらそれことバレるだろう)
「もしかして、俺の事を言っているのか?」
「そうだよ! 君だよ! 見て見て! 異世界人が来たら直ぐわかるように、あたしも君のと限りなく近い『制服』着てるの! しかも、この世界にも学生はいるから、こっちの世界の『制服』はちょっと派手に作ってあるの! どう! もう君は隠し通せないよ!」
(な、という事はコスプレ女という事か!? いや、そこは別にいいんだが、マズい、速攻で言い訳考えなくては)
「いや、実はな、これは俺の父親の服装なんだ。俺が村から出てくる時に父親がくれた服装なんだ。だから、多分、俺の父親が異世界人という可能性があるな」
「ふーん。ま、そういう事にしたといてあげる」
ミサキは何かがわかったのか、不敵な笑みを浮かべ、これ以上は追及しなかった。健太ははじめて一本取られたと感じ、唾を飲み込むのだった。
「さて、スリーズム。あたしを呼んだ要件は何かな?」
「この子健太君っていうんだけど、健太君の腕試しがしたいから、試験場壊れない為に壁張ってくれないかしら」
「凄く贅沢な使い方するじゃん。まぁ、直ぐ来れるはあたしくらいしかいないか」
「そういう事よ」
「わかった、面白いの見れそうだし、改めて引き受けるわ。そうだ、自己紹介まだだったね。私の名前はキサラギミサキ。よろしくね」
「俺は健太だ。よろしく頼む」
その後、ゴブリンの長はギルドが預かる事になりこの日は解散となった。試験は明日の午前11時。健太は、ゴブリンの長とは比べ物にならない好敵手にワクワクが止まらなかった。
場所変わり、アカギの宿。健太が宿の扉を開けるとほぼ同時に、シェミルが此方に迫ってきた。
「健太さん! フユカちゃんを連れて来たと思ったら、直ぐ置いてどっかに行くなんて! どういう事ですか!!」
「そ、それはな、あれだ。俺もやる事、やんないといけないし、その、フユカもシェミルと一緒に居た方が安心しているみたいだし、その方が俺も安心だからな。だから、シェミルに頼んだんだ」
「うー確かにって違います! それでも、フユカちゃんと一緒に居てあげてくださいよ! もう! 明日は、フユカちゃんと買い物に行ってもらいますからね!」
「いや、明日は用事がな」
「何か、問題でも?」
ギロッとシェミルは健太を睨む。
「わ、わかった。しかし、用事はあるから、そうだな。昼過ぎだ、昼過ぎに行こう」
豚男はざまーみろと思い、高田は女強しと思い、ルナは何なのこの女!? っと思っているのだった。
ふと、シェミルは、健太の後ろに居る人数が2人じゃない事に気づいた。今度は3人増えていた。
「け、健太さん。お金、大丈夫ですか?」
「あーまぁ、まだあるし、どうにかなるだろ」
そんなこんなで怒涛の1日は幕を閉じた。フユカが健太の前に姿を見せなかったのは、きっと拗ねているのだろう。




