19話 チートな俺の初クエ帰還
静寂の夜、門番2人は暇を持て余していた。(門に入る向きから右にジェイク、左にジェイクの後輩)
「暇っすねー先輩」
ため息を吐くように後輩はジェイクに言った。
「平和な事はいいことだぞーカイラ。ま、それにしても暇だがな」
2人はこのような一言二言で終わる会話を、数十分に一度おこなっている。門番の仕事は夜になると暇になる。街に来る人が減るからだ。しかし、油断してはならない。いつ悪い奴が来るかわからないからだ。
「せ、先輩…どうやら、平和な時間は終わったらしいです」
ジェイクは「何言ってんだよ」と突っ込むため横を向いた。しかし、ジェイクの目に映ったのは。顔を青ざめたカイラの姿だった。咄嗟にジェイクは前を向き、目を凝らした。すると、遠くから、大きな魔物をつれて近づいてきている若い男が目に映った。
(ありゃ、健太か!? どうしてFランクのあいつが、デッカいゴブリンつれて帰ってきてんだよ! おかしいだろ! てか、はじめて見たわ! 生きたゴブリンつれて帰ってくる奴!)
「カイラ、冒険者ギルドに行って、C級以上を2人連れてきてくれ。ジェイクが至急頼むと言ってたと言えば、大丈夫なはずだ」
「了解です!」
そう言ってカイラは冒険者ギルドへ走って行った。
(さてと、俺は時間稼ぎしますかね)
健太達が門に近づいてくると、ジェイクは門の真ん中に移動した。
「よう健太、クエお疲れ様」
普通ならこの一言に相手も返して終わる会話だが、健太は歩みを止めた。何故なら、健太にここで止まれと言わんばかりに、ジェイクが立っているからだ。
「そちらこそ、お疲れ様だジェイク。だが、この時間の門番となると、今夜は夜勤か?」
「ご名答。今夜は夜勤でね、これからが本番ってところ。そうだ、健太は今日どんなクエストに行ったんだ?」
「今日は薬草採取のクエストだ」
「成る程、薬草採取か、最初は雑草とまるで区別がつかないって聞くけど、健太はすぐわかったのか?」
「いや、後ろの2人が詳しくてな、すぐ終わった」
「せんぱあぁぁぁぁぁい!!! Bランク冒険者3人連れてきましたぁ!」
ジェイクの後ろのからカイラと後ろに冒険者と思われる人物が3人走ってきた。
数十秒後、カイラと冒険者3人組は止まった。
「せん、ぱい。連れてきました」
「おう、ご苦労さん。お二人さんもわざわざ悪いね」
「いやいや、ジェイクさんの頼みなら何処へでも行きますよ」
3人組の冒険者の1人の緑髪の男はそう言った。
「ギャラは貰いますけどね」
2人目の黒髪小柄の男は半分ギャグでそう言った。
「それな」
三人目の白髪の男は短く答えた。
「報酬金はこの仕事が終わったら渡しとくよ。それより、今はこの御一行様をギルドまで連れて行ってくれ」
ジェイクは三人組にそう言うと、健太の方を向き直した。
「悪りぃな、騙すような真似しちまって。けど、これも仕事なんだ。そうだ、お前達に何もなかったら飯奢ってやる。この街のことは、3番目くらいに詳しいから安心していいぜ」
「ああ、そんなとこだろうとは思っていたから問題ない。俺もジェイクと同じ立場ならそうする。飯については楽しみにしてるぞ?」
そう言い残して健太達は奥にいる冒険者の方へ向った。
「自己紹介は時間が惜しんで名前だけだ。俺の名はバゼタ、Bランク冒険者だ。お前の名前は言わなくていいぜ、さっきの会話聞こえたから。後、変なことしなきゃあ痛い目には合わないから安心しろよ。ジービスとマルは後ろについてくれ、俺は前から行くから。それじゃ、出発」
「わかった」
「了解」
こうして、健太達を挟むように前にバゼタ、後ろにジービス、マルの形で健太達を冒険者ギルドまで向かうなった。途中、人々からは奇異の目で見られた健太達一向だった。




