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チートな俺の異世界生活  作者: 響神奈
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14話 チートな俺とゴブリン王

14話チートな俺とゴブリン王


 ゴブリンの王は健太と似たような不適な笑みを浮かべた。


「どうする? このまま戦うのもいいが、普通の人間なら間違いなく俺様には勝てないぞ? 俺様の仲間を誰も殺ってない礼だ、このまま帰してやっても・・・いいぞ?」 


 健太の眉がぴくりと動いた。


「それなら心配いらないぞ? 俺は普通じゃない。それに、もし勝てても、勝てなくても関係ない。俺だからやる。それだけだ」


「そうか、なら、外で殺りあおうぜ」


 そう言った瞬間、ゴブリンの王は、既に健太との距離を詰めており、剣を振る一歩前まで構えていた。健太は直ぐさま木の剣を構え、振るった長(仮)の一撃をガードしたが、ゴブリン王の力でとばされてしまった。


 真っ直ぐとんでいく健太。この洞窟は曲がり角がなく、真っ直ぐのため、このまま飛んでいけば外に出ることになる。


 健太は洞窟から出た後、木を一本折ってから次の木に衝突することで、止まった。 


(今のは、先程のゴブリンの風切りよりも威力が高かったが、俺を外に出す為だけに使ったのか? もし、そうだとしたら、このゴブリン、かなり厄介だな)


「生きてるかー人間。もしかて、今のでくたばっちまったかー?」


(移動にも使えるのか、先程のゴブリンはとどめを刺す時にだけ使っていたようだが、こちらは余裕があるようだな)


 健太は腰を上げて、ゴブリン王の方まで近づいていく。


「ふん、こんなもので死ぬわけないだろう」


「ほぉ、じゃあしかたねぇ、はじめっか」


 ゴブリン王は地を蹴り、一瞬で健太の後ろの木まで移動し、木に着地するように空中で体勢を変えた。木に着地すると、そのまま木を蹴り飛ばして、健太の方へ砲弾の如くとんでいった。


 大剣が健太に当たる距離になる少し前に大剣を振るうゴブリン王。健太はゴブリン王の左からくる横切りを右に体を落とす形で避けた。その後、突っ込んできたゴブリン王の腹が健太の上にくると同時に切り上げた。ゴブリン王は宙高くとんでいった。


 健太はその場で地を蹴り、すぐにゴブリン王と同じ高さまで跳んだ。そして、ゴブリン王を切りとばした。


 ゴブリンの王は地面に激突した。健太はそのまま重力に従い地に落下した。


「流石に、今のは効いたぞ人間!!」


 砂ぼこりから出てきたゴブリン王のおでこに血管が浮かび上がっていた。


「しかたねぇ、この魔剣の力を特別にみせてやる!」


 ゴブリン王の構えた魔剣が先程より強く光った。それに伴い、紫色の何かがゴブリン王から溢れて出ていた。


「うおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!! 凄まじい、いつ使ってもこの感覚はたまらない!」


 ゴブリン王は先程とは想像もつかないほどの速さで健太との距離を詰めた。


 健太は咄嗟に木の剣でガードした。その瞬間ゴブリン王の魔剣が振り下ろされた。


 健太は魔剣の予想外の威力に少し足が曲がった。

(成る程、能力を上げる魔剣ということか)


「俺の魔剣の能力は魔剣の魔力を俺様に補充するという単純な能力。勿論、限度はあるが、言うても足りなくなるのは上級悪魔だけ。他の種族には無限に等しく使えるということだ! さぁ、悔いろ人間、お前はタイミングが悪かった! もう数年はやければ俺様はこの魔剣を持っていなかっていうのによぉぉぉ!!!」


 さらに、ゴブリン王の力は上がっていく。健太はついに左足の膝が地についた。


「はあぁぁぁ!!!」


 一気に健太の魔力が増幅した。抑えていた魔力を少し解放したのだ。ゴブリン長王は少しとばされたが、直ぐに体勢を立て直した。


 再び突っ込むゴブリン王。それに合わせて健太も突っ込んだ。剣の当たる距離に入った両者は同時にに剣を振り下ろし、鍔迫り合いがはじまった。


(魔剣の力を使っても互角、いや、こっちの方が力で若干負けているか。なら、不意打ちを狙うしかない!)


 ゴブリン長(仮)は健太の横腹を右足で蹴りとばした。健太は木を1本ぶつかる衝撃で折っても止まることなく、5本目でようやく止まった。


(さあ、来やがれ)


風切り(かざぎり)


 気づけば健太は、ゴブリン王の背後をとっていた。ゴブリン王は気づけば数百メートル先まで吹っ飛ばされていた。


(気絶しそうになる威力だったぜ。しかし、これで起点は作れた)


 ゴブリン(仮)は横切りを放つ構えをとった。ぐっと力を溜めて、フルスイングしたのだ。


 一見虚を切っているように見えるが、その瞬間剣のように鋭い風圧が発生し、健太が居る方へとんでいったのだ。


(何か、来ている!)


 もっとも近くの木の枝が切れた瞬間健太はそう思った。健太は咄嗟に剣を前に構え、右足を少し後ろに動かした。


 何故避けなかったのかというと、この衝撃波が不可視の一撃だったからである。いつ来るかわからない攻撃を、とりあえず健太はガードすることにしたのだ。


 衝撃波が健太の木の剣に当たった。あまりの衝撃波に、健太の足が地面を少し削った。


(ガードしたな! 人間!)


 健太が衝撃波を押し切ると同時に今度は、ゴブリン王は健太の背後をとっていた。そして、透かさず剣を振り下ろした。健太は衝撃波をガードしていた為、ゴブリン王の攻撃をガードできなかった。


 健太は剣が当たった衝撃で、地面に叩きつけられた。ゴブリン王は、この勝機を逃すまいと再び剣を健太に振り下ろした。その一撃は、地にひびがはいる程の威力だった。


 三度、ゴブリン王が剣を振り下ろそうとした時だった。ゴブリン王は吹き飛ばされた。健太が風魔法を放ったのである。


 健太はその場に立ち上がる。ゴブリン王は、洞窟の入り口がある壁に衝突し、その衝撃で大きな壁に大きなひびができ、その窪みにゴブリン王は挟まった。


「ぐはぁ!」


 健太は手を前にだし、グイッと掴むように引っ込めた。すると、挟まっていたゴブリン王が健太の方へとんでいった。


「うわぁぁぁぁぁ!!!」


 健太は剣を引き、そして、タイミングよく、ゴブリン王の腹目掛けて突き刺した。


「はあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 流石のゴブリン王も引き寄せられた勢いと、健太の突きの挟み撃ちに意識を保てず、白目をむき、その場に倒れた。


「まさか、ここまで苦戦するとは思わなかった。確かに普通なら死んでいるな」


 健太はゴブリン王を見下ろしながらそう呟いた。こうして、健太とゴブリン王との決着が着いた。




「嘘、かっこ良すぎる。何て男なの」


 右手を胸に当て、恋する乙女のように健太を見つめる謎のゴブリン。この戦いを見ていたようだが、何者なのだろうか。


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