アジト襲撃Ⅷ
拐われた人達を全員救出して、アジトの留守番役達を全滅させたら、すぐさまパーミルに向かって逃げてもらうよう、お願いしてある。
ミールさんは俺の事を心配してくれたが、俺ひとりなら何とかなる。
それよりもフリード達が、逃げ出した事に気付き、皆に追いつかれる方が厄介だ。
俺が少しでも時間を稼がなければならない。
バルストさん達と協力して攻撃すれば、ヤツらを撃滅出来るかもしれないが、俺のみた所五分五分の戦いになるだろう。
そうなれば、バルストさん達に犠牲者が出てしまう可能性がある。
フリード達の数をもう少し減らせば、有利になりそうだが、不確定要素がある。
フリードの【サモンスケルトン】だ。
ヤツはいま、その呪文で11体の"スケルトン"を操っている。
もしこれが無尽蔵に召喚出来るなら、俺達に勝ち目はない。
恐らく無尽蔵ということはないと思うが、いわゆる『MP切れ』がどの程度なのかが判らない。
例の捕まえた盗賊三人組にも聞いてみたが、戦闘中に追加で召喚した場面は、一度しか見たことがないそうだ。
つまり最低でも、"スケルトン"22体は相手しなければならない。
その程度なら何とかなる。実は今回の相手にはうってつけの【スキル】が俺にはある。
あと先の戦闘で、《BATTLE START? YES / NO 》 の表示が現れず、カード使いの【スキル】が使えなかった理由が判明した!
今回"ゴブリン"達がフリード達と出会った時は、この戦闘開始の表示が現れたのだ。(その時は戦う気は無かったので、NO を選択した)
今回と前回の表示が出なかった時の差を考えて、理由がすぐ判った。
―つまり敵モンスターがいるか、いないかが問題だったのだ。
ぶっちゃければ、俺の『アルカナ使い』という職業は、キャラクター戦には全く機能しない職業ということなのだ!
よくよく思い出してみると、ゲームでもキャラクター自身を相手にした戦闘は無かった。
NPC と対戦したときも、俺のモンスターが戦う相手は、そのキャラクターが操る(またはそのキャラクターを護衛している)モンスターが殆どだった。
キャラクター自身と戦うこともあったが、戦闘が始まる前にキャラクターがモンスター化してから、ということばかりだった。
プレーヤー対戦の時も、当然モンスター同志の戦いだったし、この対戦では『キャラクターカード』は使用出来なかった。
キャラクター(つまりこの世界でいうヒト種族)とモンスターで何の差があるネン!?
と、心の中でツッコミを入れたが、誰も答えてくれる筈もなく、とにかくそう言うモノだと無理矢理納得させる。
フリードと戦う事になれば、【スキル】は使えるのだ。
これ以上モンクは言うまい。
―おおっ!アジトでの戦いが、圧勝で終わったようだ。




