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アジト襲撃Ⅳ

フリードは焦れていた。


先に『報酬』の冒険者達を交換に、脱走した獣人の小娘を引き取りに行かせて、数時間。


いっこうに帰ってこない部下を探しに、数名の斥候を出させて、さらに一時間以上がたっていた。


「やはり裏切ったか…」


もとよりゴブリンごとき信用等している訳もなく、その為にも貴重な手練れの戦士を三人も連れて行かせたのだ。


それどころか、交換時にゴブリン共の数が少なければ、ゴブリンを皆殺しにするよう命じていた。


拐ってきた者達も充分集められた。

特に今回は、子供と年若い女が収穫できた。

この者達を納めれば、さらに自分の地位は上がるはずだ。


そろそろ『聖地』に、連れて行こうと考えていた矢先だったのだ。


勿論その時は、ゴブリン共はあと腐れなく、皆殺しの予定だった。

数はそれなりにいるが、頭のゴブリンシャーマンさえ殺ってしまえば、あとは大したことなく蹴散らせる。


盗賊共はチンピラに毛が生えた程度で、今回の為に雇った者達だが、ゴブリン共よりは強いだろうし、自分の直接の手駒である戦士達にとっては大した敵ではない。


ましてや自分がいるのだ。


だがこの慢心が、今回の失策を招いたのかもしれない。


「次は俺がでて、捻り潰してやる…」


そう呟いていたところに、手下の盗賊がテントの中に入ってきた。

「フリード様、斥候に出していたヤツらのうち、三人帰ってきやした。」


「三人だと?残りの三人はどうした?

いや、俺が直接聞く、連れてこい。」


すぐに帰ってきた三人が来る。

どうやら全力疾走してきたようで、汗だくで息もたえだえな状態だ。


「どうした、何があった?ゴブリン共が裏切ったのか?」

「ハアハアハア、へい、ハア、最初俺達が見つけたのは、仲間達の死体でやした。

それを調べているうちに、ハアハア、ゴブリン共が茂みから襲ってきて…」


「チッ!それでゴブリンごときにやられて、おめおめ帰ってきたのか?」

「ゴブリンは60匹はいたんですっ?」

「なに?バカな、恐れをなして実際の数より多く見えたのだろう!

ヤツらは30匹程度の集団だったはずだ。」


そこでその三人は不自然な程反論した。

フリードがもう少し彼らをよく見ていれば気づいていたかもしれないが、生憎フリードは部下の動向などに気をまわす男では無かった。


「間違いねぇです!少なくとも30匹以上は絶対いやした!」


ここで、フリードは少し冷静になって考えてみた。

確かに手練れの戦士を含んだあの人数を全滅させるには、不意をつけたとしても30匹程度では難しいはずだ。

「どこかのゴブリンが合流したか…?」

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