ミールの決意Ⅱ
「知らニャいなら、まだ知らニャいままでキミはいいニャ。
大丈夫ニャ。こんなに助けてもらってるのに、キミにはこれ以上、迷惑はかけニャいよ。」
?、ますます意味がわからん。
まだ、ってことはいずれ判るという事だと思うが…、っ!
「もしかしたら、願いの代わりに自分の命を神に捧げる、とかじゃないだろうなっ?!
そんなんだったら、俺はごめんだ!
そんな事必要ないし、元から俺は自分が囮になるつもりだったん…」
俺の言葉に、ミールさんは笑いながらまた手を上げて遮った。
「違う違うニャ。ウルティナ様は、生け贄ニャんて求めニャいよ。」
「あニョね、最初お祈りをしてすぐ、キミがゴブリン達と戦っている所にでくわしたの。
モンスター達を操って、あんニャに沢山のゴブリン達をあっという間に倒すのを見て、キミがウチを助けてくれる人だと思ったニャ。
ウルティナ様に祈りが通じたと思ったニャ。」
「でもすぐキミの前に出れなかったニャ。」
―彼女は怖かったのだそうだ。
まあ当然だろう。
恐ろしいモンスターを操る、不可思議な力を持つ人間なんて、いくら神が使わした(と彼女は思った)ヤツでも、すぐ信用できるわけがない。
「それにそこのおチビさんの声に、何故だか混乱してしまって、逃げ出してしまったニャ。」
そう言いながら苦笑しつつ、俺の肩に乗っかっている"アルラウネ"を彼女は見た。
…ああっごめんなさい~!
そうだった、最初彼女にも【パニックボイス】をカマシちゃったんだった!
(因みに【パニックボイス】等の敵全体を対象するスキルは、俺が『味方』と認識するだけで対象から外れる。これはミールさんで実験をさせてもらった。)
そのあと何とか混乱状態から脱した彼女は、俺を再び見つけるため森の中をさ迷い、あの洞窟の入口で"ゴブリンシャーマン"達との戦いに出くわした、という訳だ。
「キミ、戦いが終わったあと、捕まえてたゴブリンを約束通り逃がしたニャ?
しかもお人好しに、餞別まで渡して…
あの時ウチ、キミは悪い人じゃニャいと思ったのニャ。」
あー、ゴッチのヤツの事か。
…別にそんなに考えてやった訳じゃあないんだがね。
「まあ、そのあと助けを求めに行ったら、訳も聞かずに『はい』って言われるとは思わニャかったけどニャ。」
えっ?だってケモノっ娘美少女からの助けだよ?
ふつう、誰でも考えなくてもオーケーでしょ?
あれ?なんで皆、ドン引きしてるの?




