アルカナ使いの説明
まず捕虜になった戦士はとりあえず、ふんじばっておく。
聞きたい事はいろいろあるが、尋問は後回しだ。
つぎに"ビーファイター"君に、アジトへの上空偵察にいってもらう。
まだ捕まっている他の人達の様子や、ヤツらが帰りが遅いと偵察に出てくるかもしれない。
さてこの辺りの事を済ますと、俺は自分自身の説明をミールさんも含めて皆に話した。
ただ自分は、別の世界から転生して来ました、おまけに向こうでやってたゲームのキャラそのままのチートキャラっす!と言ってみても信じてくれそうな自信がない。
そこで、俺は
「自分は特殊な転送魔法で、遥か遠く離れた場所から跳ばされてきた。
魔法は細かな位置まで指定出来ないので、こんな辺鄙な場所にきてしまった。
この地にいる、ある"プラチナドラゴン"を追うように『師匠』から命じられてきた。」
と言う設定にすることにした。
まあ嘘ではあるが、真実からそんなに的外れな事を言ってはいないと思う。
次はアルカナ使いの事だ。
ゲームでは、通常イベントの第十章『ルイテリウスの野望』をクリアすると、世界の危機を救った勇者様という事で、世界的に有名人になる。
元々『アルカナ使い』達は、世界を救う勇者的立場として『アレス』の世界の人々から認識されていた。
だが冒険者として経験豊富なバルストさん(冒険者になってもう25年だそうだ)の知識でも、『アルカナ使い』という職業は聞いたことがないそうだ。
幻獣族を操る"ビーストティマー"や、甲虫族を操る"インセクトマスター"、精霊族と契約してその魔法を使う"精霊使い"といった職業はある。
だが種族も無制限に操り、おまけにモンスター同士を合成して成長させる(先にいった職業でのモンスターはレベルアップしない)事に至っては、とんでもねー事なんだそうだ。
「キミの力については、またギルドで伺うとしよう。
それよりも残りの捕らわれている者達の救出だ。
だが俺達だけでは到底無理だ。
恥ずかしながら、キミの力をもう少し貸してくれないだろうか?」
モチロンっすよ!
「今はキミには何の見返りも無いが、救出が成功した暁には、何らかの報酬を出してもらうよう、俺からギルドに話しを通すよ。」
あざっすっ!でも俺はミールさんに頼まれたからで、別に気にしなくていいっすよ。
…そういやミールさんは、俺を見つけてから俺に助けを求めるまで随分時間をかけたけど、どうしてなんだろう。
時間をかければかける程、ヤツらが逃げ出して居なくなる可能性が高くなるのに。
たしか監視して、強いかどうか確認していたとか言っていたが…
俺が気になっていた事をミールさんに尋ねると、彼女は顔を曇らして、
「そうニャ。ごめんなさいニャ。
実は最初はキミを囮にするつもりだったニャ。」
そう言って、俺に頭を下げた。




