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ミールの災難Ⅰ

村の放棄を決定してから、すぐに彼らは身の振り方を考えねばならなかった。


周りはモンスターが徘徊している世界だ。

普段であればその程度のモンスターは難なく撃退できる。


だがその守り手が殆どいなくなってしまった今、この村に残る事は全滅を意味する。

モンスターは常に弱いものを虎視眈々と狙っているのだ。


ここで村人達はそれぞれの避難先を決めた。

多くは他の村の親類・縁者を頼った。

しかしミールさん姉妹にはそのような者がいなかった。


そこで同じような頼る者がいない人達と、パーミルに向かう事にしたのだ。

パーミルの領主は最近、新たに周囲を開墾するのを勧めており、その為の援助を惜しまないと聞いていたからだ。


またそのために人が集まり、街自体の景気も良くなり、様々な所で求人募集をしているそうなのだ。


パーミルまでは徒歩で約20日位の行程だ。

そのパーミルに向かう人達の多くは女性やその子供達が殆どで、彼女達だけで行くのはあまりに危険だ。


そこで村人達がお金を出しあい、出入りの商人のツテを頼って冒険者を数人雇うことにした。


雇った冒険者の人達はそれなりに手練れで、パーミルまでの距離が半ば近くの所まで順調に来る事が出来た。


そこで商人達の隊商と出会った。

普通の商人達のルートからは随分外れていて少し不審に思ったが、暫く話を聞いているうちに同じパーミルに向かう事が判った。


同行者は多い方が安心だ。

商人達もそれなりにウデがたつようで、パーミルまで一緒に行く事となった。


当初は少し不審に思い警戒していたが、モンスターを共に撃退しているうちに、次第と打ち解けていった。



そしてパーミルまであと数日の所まで来た時、ヤツラは本性をあらわした。


連日の同行ですっかり気を許していた冒険者達は、商人達から勧められて飲んだ酒に遅効性の睡眠薬が入っていたのに気付かなかった。


ひとり、またひとりと眠ってしまい、彼らが次に目を冷ました時、体は縄ですっかり縛られていた。


商人達はヒト拐いの集団だったのだ。

コイツらは最近この森を根城にして、パーミルの景気を聞きつけて集まって来る人々を、商人になりすまして拐かしていたのだ。


ミールさんはヤツラが本性をあらわした時、唯一そこから逃げ出すことが出来た。


ミールさんの職業は狩人だ。

彼女のレベル8というのは、彼女の年齢ではかなりのモノらしい。(ちなみに彼女の年齢は16才とのこと)


だが同行中、それをヤツラに見せる機会がなかった。

モンスターとの戦闘は冒険者達に任せて、妹や子供達の面倒をみていたのだ。


そこでヤツラも彼女が、ただの村娘と思い込んでしまっていたのだ。


それが幸いした。

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