俺の強さ
プレイヤーには、A T とD T 値は存在しない。
ゲームでは、カード使いは攻撃されないのだ。
単純に、自分とモンスター(または他プレイヤー)とのカードバトルのみで勝敗が決する。
負ければカードを失い、勝てば報酬が手に入る。
それだけだった。
俺はまだここが、ゲームの延長上にあるように思っていたのだろう。
A T: 21,000
D T: 317,000
プレイヤーのステータス画面にはゲームの時には存在しないものが、記されていた。
俺のカード使いとしての、プレイヤーレベルは373。
キャラクターカードのバイラスさんを、はるかに越えるチートレベルだ。
だが同時に、このふざけたD T 値でも、ゼロになれば死んでしまう。
この数値が、俺の寿命というワケだ。
…まあ少しびびったが、とんでもねー数値であるにはかわりない。
さっきのバイラスさんクラスが、二人がかりで襲ってくるような事態でもなければ大丈夫だ。
ちなみにさっきのバイラスさん、魔王を一時期やってたヒトです(笑)。
…その後俺は、ホーム画面の使い方を細々と確認した。
晶貨はちゃんと実体化出来た。
【フレンド】登録していた、ゲーム時代の上級者仲間達との連絡は、当然できなかった。
もしかしたら、先にこちらに来たという二名が、この中にいるかと期待していたが、いなかったようだ。
そうやって、あらかたシステムを調べ尽くし、なにげなしに【図鑑】を開き、どんなヤツがこの世界ではいないのか、×印のチェックをしていた。
【図鑑】のファイルの奥の奥、一番最後のページが、俺の"銘"を与えた七体のカード達のページだった。
そこにあった事を、俺は一生忘れないだろう。
【天輝竜】"プラチナドラゴン"には×印がついていなかったのだ!




