5話「そして異世界へ落とされる」
「は?え、は!?だ、だってサキュバスって!普通女の子だろ!?」
「そりゃサキュバスにも生物なんだ、オスはいるだろ!まぁ、その場合インキュバスって呼ばれるけど。ウチの場合は特異体質と言うか...サキュバスとして生まれたけど体は男って言うか...?」
「お、男の娘ってことか...?」
「まぁ、そゆことかな❤️」
「ふぁぁぁぁあ!!!」
俺は頭を抱え、また後ろへまた倒れ込んだ。
俺の美少女ヒロインが男の娘!?そう言う作品はあるにはある、あって当然だ。素晴らしい物だ。
だが大抵、これ系の作品の主人公は、高身長イケメン上司と相場が決まっている。
そこで聞きたいんだが、俺と美少女型サキュバス(男)との、キスやあれこれを君は見たいか?
見たくはないだろ?一体誰得なんだ?
しかしまだ、レミュールがヒロインと決まったわけじゃない。俺のメタディレクションは、用意されたシナリオに反した行動がとれる。
これから始まる異世界ファンタジーの冒険、その同行者として用意されたキャラクター。そう考えれば...
「何も問題ない!」
俺は前転をしながら転がり、そしてレミュール前で親指を立てた。
「お前のキャラ設定...マジでキモすぎじゃね...?」
レミュールは、部屋の隅に現れた害虫を見る様な、冷やかな視線を俺に向けた。そして俺の差し出した親指を、素早く尻尾で叩き落とす。
「普通に傷つくからやめてその顔!自重するからさ!!」
俺は右手をさすりながら涙目を浮かべていた。
すると突然、地鳴りの様な音が響き渡る。2人は周囲を見渡し、その異変に気がつく。
「な、なんだ?」
ただ広いだけの白い空間が揺れ始める。そして床や天井、全てが青色に変色していく。それはまるで世界が色付くように。
「おいモブ雑魚!!これは何だ!!何が起こってるんだ!」
「お、俺も分からないんだよ!!でもこれ...」
レミュールが俺の肩を力を込めて揺らす。ついに、空間の全てが青色に染まり、所々白いモヤがかかっている。
違う、あれは雲だ。
そう、俺たちは空の上にいるんだ。
遠くの方で神が手を振っているのが見えた。
「おいあいつ何やってんだ?」
レミュールが指を刺す方向で、神が棒切れの先をトンッと下に押し当てた。その音が波打って空全体へと広がっていく。
そして次の瞬間、急に力を抜かれたかの様に、俺たちは落下を始めた。
『ぎゃぁぁぁ!!!』
2人の悲鳴が共鳴する様に重り、泣き叫び慌てふためく。気がつくと俺は、レミュールの手を握り潰す勢いで掴んでいた。
「離せコラ!2人揃って死ぬぞ!!」
必死に抵抗するレミュールに反して、俺は構う事なく取り乱していた。
「こらーげんと、びせいぶつの、いぶんかこーりゅー?はい15円ですね?それふたつくらさい」
俺はブルブルと震えた声で、謎の店で謎の会計をしていた。
「は!?お前何言ってんだよ!しっかりしろよ!目がいってんぞ!!」
ダメだ、怖いってもんじゃ無い。自分が何を言ってるのか、どうなってるかも分かってない。気が動転し、正気と混乱を繰り返し、思考回路がまともに機能しない。
咄嗟に俺はレミュールの体にしがみついた。
その拍子に、手が胸へと触れる。
「ひゃ////」
「ああ、つるぺたロリ満宮じゃ。二礼二拍手一礼...?あれ、最後もう一回二礼じゃったかの?」
急に老け込んだような顔をした俺は、レミュールの胸へと向かって手を合わせていた。
「今ロリっつったろ!!だからウチは女じゃねぇって!つか何で拝んでんだよ!!殺すぞキモブ雑魚!!!あとで絶対殺すからな!!!」
レミュールが俺の胸ぐらを乱暴に掴み上げると、顔目掛けて怒声を浴びせた。
やがて地上が見えた頃に、俺は完全に気を失っていた。
さて、プロローグはここまでです。これから異世界へ旅立つ主人公。創作物の中の創作物へと旅立つ創作物。なんか意味わからん、本当に書き辛い作品になってしまいました。大丈夫ですか?伝わってますか?すべってませんか?笑
初作品なので、僕と読者との温度差が掴めずにいます。なので宜しければ、どんなメッセージでもいいので、残していただけたら嬉しいです。
そして意外にも、ギャグ展開だけではなく、凝ったストーリーを考えているのでぜひ期待していただきたいです!




