閑話.ちょっと休憩。
一旦ね。一旦
「でも、だとしたら私達の中に、犯人さんがいることになりますね」
「なんでっすか?」
「はぁ?何いってんの。あんたの手紙はあとから用意したんでしょ?だったら、事前にこの部屋に置いておくのは難しいし、なによりだれがどこの部屋になるかなんて分かりっこないよ。
だから、この屋敷の中の誰かが昨日の夜、あたしらの部屋に入れたってことになる」
「なるほどー」
「じゃあ、やっぱりお前だ!珪呀とやらと言ったかな、お前がこの部屋割りを決めた!だから、お前が犯人だ!」
「なるほど、じゃあなんで僕は皆さんをわざわざここへ呼んだのですか?」
「そ、それはだな...知るか!お前の考えなんて分かるわけがないだろ!とにかくお前だ!
全員でかかれ!捕まえろ!」
そう言っても誰も動かない。まして、全員考え込むような顔をしている。
「確かに、なんで私達は呼ばれたのでしょうか」
「これだけのためなら、あたしらじゃなくて新聞とかに言ったほうがいいのにね」
「不可解じゃのう」
「なにか他の目的があるのかしらねぇ...」
「な、お前ら!かかれと言っているだろ!なぜ動かない!」
今度は珪呀以外に矛先を向ける。
「なんでって言われても、珪呀さんが犯人だという確実な証拠がないです。
部屋割りだって、ちゃんと確認を取っていました。それに、途中で部屋を変えたことにも異論はなかったです。そもそも、来る順番こそ不確実です。珪呀さんはそんなギャンブルはしません」
寒江がそう言い返す。
「そうか、お前ら共犯だな!確かに妙に仲が良いと思っていたんだ!
お前らはどうせ付き合うなり結婚なりしていて仲が良い、そして私達に恨みがあった!
だから、共同して犯行をした!だから、今必死にフォローしているんだろ!」
パチパチ
珪呀が拍手をする。
「さすがは推理小説家さん。なかなかいい推理です。ただ、頭を冷やしましょう、まぁ外に出られないので当分は暑いまんまだと思いますが」
「け、ケッコン...」
珪呀が冷静に言い返す隣で、寒江が顔を真赤に暑そうにする。
「っじゃあお前だろ!小さいの!」
「ひゃい!」
鷹宮に突然怒鳴られ、宮内が肩を跳ね上げる。
「お前も、なにか恨みがあったんだろ!違うか!」
「ち、ちがいます」
「鷹宮さん。無闇に犯人だろ!って言われて、はいそうです、って返すバカ正直な奴はいないっすよ。
それにお昼の時間っす。ご飯食べましょう!」
気づけば午後一時を回っていた。
「そうね、ここは一旦休戦だわ。腹が減っては戦はできぬ、だったわよね」
「そうじゃ。頭も回らんぞ?」
「皆さんここで食うっすか?」
「そうだなー、あたしは雪ちゃんと雫華とあたしの部屋で食べるよ。いい?」
「もちろんです。お誘いいただきありがとうございます」
「は、はい」
そう言って三人は二階へ上がる。
「俺は珪呀と休憩室で食うっす」
「私はお部屋でいただくわ」
「わしもじゃ」
「私もだ」
そう言って三人も二階へ上がり、一階には珪呀と咏人のみとなった。
「なかなかかかんないなー。珪呀の挑発作戦」
「流石といったところだね。鷹宮さん以外は」
「うん。あいつは絶体賄賂受けてる。珪呀のいった通り過剰に反応してるから。
ただその他は、分かんないなぁ。みんな冷静すぎるじゃん」
「あはは。そうだね。なかなか掴みどころが無いというか...」
「雲掴んでるみたいだよー。
まぁ頭使って疲れたからさ、面白い話してよ」
「出たよー、咏人の無茶振り」
「じゃあじゃあ、寒江さん、正直どう?」
「どうって。結構頭はいいね。探偵してるだけあるみたいだ。ただ、さっきも言ったみたいに掴めないね」
「違う!その、女性として、的な」
「うーん、分からないかな。でも素敵な人だと思うよ」
「こいつー、もっと端的に!好きか嫌いで!」
「難しい事言うね。どちらかといえば好き?嫌いではないよ。
何ニマニマしてるの、咏人?」
「へー、そうなんだー。ニヤニヤが止まらないねぇ。暑いねぇ」
「何いってんの。あったばかりの人だよ。何も知らないし」
「でも、向こうは色々知ってるよー?」
「まぁファンだって言ってたし」
「ファンのままでいいのー?」
「なに馬鹿なこといってんの。い、今はそれどころじゃないよ」
「はいはーい」
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一方その頃、二階、望月の部屋では。
「えーっと、何話す?」
「珪呀さんたち、仕掛けてますね。わざと挑発して反応を見てます」
「じゃなくてー、もっと楽しい話しようよ。
じゃあさじゃあさ、雪。正直、珪呀どう?」
「どうって、頭はきっと良いです。それに挑発作戦をしてたり、積極的なので犯人ではないかと...」
「ちがーう!その、男性として、的な」
「!え、えっと。そ、その。け、珪呀さんは、た、ただの推しですし。そ、それ以上でも、それ以下でも...」
しどろもどろになりながら寒江が答える。
「ってなに、お二人ともニヤニヤしてるんですか!」
少し恥ずかしそうにニヤニヤする宮内と、とてもニヤニヤする望月を見て言う。
「い、いや。私まで恥ずかしくなってきちゃいましt...」
「いいねいいねー。あたしそういうの好きだよー」
「好きってなんですか!別に、全く付き合いたいとかないですからね」
「ふーん、ほんとかなー?」
「っ本当です。そ、それに今はそれどころじゃないですし」
「はいはーい。まぁいいもの聞けたからいいけど」
「「ねー」」
そう宮内と望月が声をあわせる。
「も、もう。お二人のせいで熱くなって来ちゃいましたよ」
(熱いのは、寒江さんたちだけど...)
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ちょっと、こういう展開が書きたくなりました。次からちゃんと進みます。すいません。
1とか2とかがついているのが本編なので、今回のは全く関係ありません!
時系列的にこのあとの話はご飯食べ終わってからにしようと思うので、ご飯食べてる間の雑談的な感じで受け取って貰えれば、と思います!




