6.中身はなんだろな
一回寝落ちしました。読みたい本があるので、おすすめ等教えてくださると嬉しいでーす。
「じゃあ、開けようっす」
そう、ひょうきんな声が響く。これからのことを知らずに...。
「まずは僕から開けますね」
ペリペリ
「あなたは助手です。
医学の知識をつかい、陸軍で培った体力と、少年探偵団の仲間を引き連れ、名探偵を手助けしましょう」
「はぁ?何いってんだこいつ。珪呀は医者でもないし、陸軍でもない。ましてや少年なんかじゃないっすよ?」
「違うよ、
医学の知識は、シャーロック・ホームズの助手、医者であるワトスンで
陸軍で培った体力は、ポアロの相棒、元陸軍大尉のヘイスティングズ
少年探偵団は、明智小五郎の助手、小林少年だよ。
これくらいあたしでも分かるよ」
「ほう。随分と洒落の効いた差出人じゃのう」
「じゃあ次は俺っすね」
ペリペリ
「あなたは、名探偵!?
老婦人のお体には障りますが、貴族時代を思い出し、二人の力を合わせ読者に挑み、ボサボサ髪の頭から、結論を導き出しましょう」
「これもじゃ。
老婦人は、ミス・マープル。
貴族時代は、オーギュスト・デュパンかのう。
二人の力は、エラリー・クイーンじゃ。
ボサボサ髪は、金田一耕助。
どれも世界中誰もが知っておる名探偵じゃのぉ」
「最後になにか書いてあるっす。皆さんの罪の真相も頼みます。
皆さんの罪?皆さんってことは俺達っすかね?」
そんな声とは裏腹に場に一気に緊張感が走る。
「えっと順番的には私ですかね」
ペリペリ
「えっと、鷹宮 乍水は貪欲な探偵。
小説では鮮やかに読者を騙すトリックを練る、高い頭脳を持っている。
しかし、今年のミステリー選では、準優勝者の両親から賄賂を受け、多く票を入れる。
だが、他の審査員の影響もあり、準優勝に。そのことに激怒した両親との連絡を切り、金だけを持ち続けている。
え?」
寒江が読み終えたその瞬間視線が一気に鷹宮へ集まる。
「えっと、どういうことですか?」
「これは、あぁ、デマだ!全て事実無根だ!確かに私は審査員をした。だが、準優勝者とは全くなんの関係もない!ましてや両親のことなど知りもしない!」
集まった視線を振り払うように、鷹宮が声を荒げる。
「本当にー?確かに今年のミステリー選異常ではあった。準優勝の作品正直面白くなかったもん。ありきたりーって感じでさー」
望月が疑問の声を上げる。
「ああ、私もそうおもっていた!だが、何回も言うが私は無関係だ!証拠なんか一つもないじゃないか!すべて妄想に過ぎない!」
「そう、ですよね。あの狩連場さんが、賄賂なんて...」
そう、何度も自分に語りかけるように寒江は頷く。
「えっと、次は宮内さんです...」
「あ、はい。」
ペリペリ
「え、えっと
望月 希夢は悲しき探偵。
中学生時代IQ130の天才少女だった。
しかし、高校に入り、親の元を自ら離れ、祖父のもとへと逃げ込み、高校を辞める。
その後、荒れ、未成年飲酒や、未成年喫煙。道路交通法違反などの軽犯罪を犯す。
現在は、小説の執筆もしている、しかし審査員に体を売っているとも言われている。
でs...」
「ほら!お前も人のことを言えないぞ!非行やろう!」
まるで、小学生のように鷹宮がまくしたてる。
「えっと、宮内さんこれは事実ですか?」
「うん。そうだよ。確かにあたしは、昔IQ130の天才っていわれて、ずっとテレビに出たりしてた。
正直辛かった。でもお母さんは、分かってくれなかった。ずっと私を、テレビに出そうとする。
きつかったし、めんどくさかったし、悲しかった。お父さんはずっと馬鹿みたいに、首を動かしてた。ずっと目を逸らしてた。だから、おじいちゃんのところへ行ったの。もう人が嫌になって」
そう言いながら頭が下がっていく。
「おじいちゃんはあたしを受け入れてくれた。自由にさせてくれた。お母さんからも守ってくれた。
でも、あたしは頭は良くても、人として良くなかった。真面目だけを強いられてたから、やんちゃな人たちと遊ぶようになった。おじいちゃんの目を盗んで。だから、いっぱい犯罪をしたと思う。
でも、今はちゃんとしているつもり。社会に出て、働いて、真面目に頑張ってる。
小説だって書いてる。
でも、審査員に体を売ってない!私は私の実力を知りたいから、小説を書いてるの。名声なんてもういらないもん」
「なるほど、事情はわかりました。これには皆さんの罪が書かれている。これを捨てましょう」
そう珪呀が提案すると鷹宮が突っかかる。
「いや、すべてを開けてからにするべきだ!これでは私が不公平だ!おかしい!他の奴らもきっとやばい奴らだ!お前もだ!だから全員のを開けろ!いいな!」
そう言うやいなや、望月にも突っかかる。
「この小娘もだ!被害者みたいな顔をしやがって!どうせ、嘘しかつけないんだろ!それに、どうせ体だって売ってるさ!こんな奴の言う事、信じるやつが馬鹿だ!この野郎!」
そう言いながら、望月に殴りかかる。
「きゃっ」
小さく望月が悲鳴を上げると、鷹宮の拳が止まる。
「おっさん、それはないっすよ。流石に手は出しちゃだめっす。みっともないっすからやめてください」
「このガキ!まだ小さいくせに生意気なこと言いやがって!」
「やめて!わかった。私の封筒を開ける。文句ないでしょ」
鷹宮が咏人に殴りかかろうとするのを静止し、望月が言う。
「書かれてる人には、ごめん」
「お前だけじゃないぞ!他の奴らのも開けろ!」
ペリペリ
「えっと、沢村 玄朗はさもしい探偵。
長年探偵をしており、経験が豊富。また頭脳もよく、超難関大学を首席で卒業した、とも。
しかし、ある事件の調査を依頼された際、それを快く思わいない人物によって賄賂を渡され、事実を捻じ曲げて話す。それに加え、依頼人から高額の調査料を搾取していた。
こう書かれています。」
「もう結果は分かっていますがこれは事実ですか?沢村さん」
なだめるような口調が珪呀が問いかける。
「あの小説家さんと同じで、事実無根じゃ。すべてでっち上げ、妄想に過ぎないわい。わしも、長年探偵をやっておるからの、反感を買うことなんぞ、いくらでもあるわい。そういう奴らがやったのじゃろうのう」
「なるほど、随分落ち着いてらっしゃいますね?鷹宮さん?」
いたずらっぽい笑みで珪呀が話す。
「な、なんだ。なにか可笑しいか!沢村さんだって、事実無根だといってるではないか!」
「あんた、望月さんのときは耳に入ってなかったのにっすか?ご都合の良い耳っすね。羨ましいっす」
「何だと、ガキ!次はないからな!全く最近の若造は、生意気だ!(あの女もそうだったが)
おら!次だ次!」
そう言うと鷹宮は、封筒を開ける。
ビリッ
「なになに、神宮 稲荷は強き探偵。
編集者として働いているが、学生時代には超難関大学の法学部を卒業。
その後、編集者として働くが、実力を認められ昇進。
しかし、部下に対して暴力を振るったり、個人にとって都合の悪い事実等が浮上すればすぐさまもみ消している」
「えっと神宮さんこれは...」
珪呀が言いかかった所で、神宮が話す。
「そうね、半分事実といったところかしらね。確かに私は、法学部を卒業してるし、編集者だわ。
いいえ、編集者だったわ。昔から、小説が好きだったの。だから小説に関わる仕事がしたいって思ってたわ。それで晴れて編集者になれたの。けど、トントン拍子に昇進しちゃって。仕事は大変、同僚からの視線もピリピリとしてたわ。そんな現状にずっとイライラしてたの。同い年の部下が嫌味を言ってきてね、それでつい、強い口調で言っちゃったわ。それをいいように言われて、見事にクビよ。今はひっそり大学の非常勤講師をしてるわ」
「それは、責めるに責めれないですね」
「いいえ、責めてもらって構わないわ。悪いの私だもの」
「ええ...」
そう困ったような表情で寒江が返事をする。
「次はあんたのだ!」
そう言って、神宮の封筒をひったくる。
ベリッ
「宮内 雫華は悪しき探偵。
今世紀最高の小説家と、称賛されている。そのトリックを考える頭脳は異常なまでに回転が早く、IQ140以上とも。学生時代には、国公立大学の医学部を卒業している。
その後、医師として国立病院に三年勤務するが退職し、小説家として生活している。
しかし、医師時代に小さな医療ミスで患者を死亡させてしまう。そのことを隠蔽した。
だが自主退職をし、隠蔽を隠したまま小説家として活動している」
「これは、じ、事実です。全部です。
私は、ま、前は医者をしてました。で、でも地震が起きて、手術のときに、ミ、ミスをしてしまって。
が、頑張ったのですが、亡くなってしまって。い、一応法律上、わ、私に責任はないので、公にしないでくれて。で、でも私は、申し訳なくて自主退職を、しました」
「なるほど、確かに難しい問題ですね。しょうがない、とは一概に言い切れないですし」
「医者がミスで人を殺す!?そんなことあって言い訳がないだろ!それに加え隠蔽とは、悪どい奴だ!」
またも、鷹宮が突っかかる。
「わ、悪いとは思って。か、患者さんの、親族の方には、ちゃんと、しゃ、謝罪をして。大丈夫だって言ってもらえて...」
「だからと言って隠蔽してもいいわけではないだろ!」
「で、でも...」
「なんだ?口答えか!」
「い、いえ。な、なんでも...」
宮内は今にも泣き出しそうな顔をしながら俯く。
「まぁまぁ、落ち着いてください」
「そうっすよ。あんたも賄賂隠蔽してんすから」
「してない!あれは虚偽の情報だ!」
「はいはい。それにどれだけ信憑性を高められるは、あんた次第っすけどね」
「大丈夫?雫華。ほら、ハンカチ。涙拭いて。悪くないよ、絶対。それに、ちゃんと認めたのもえらい」
そう言いながら望月がかがみ込んで、宮内に語りかける。
「あ、ありがとう、ございまs...」
「残ったのは、沢村さんのっすけど、開けますか?」
「今更なんだ!開けるに決まってるだろ!」
そう言って鷹宮が無理やり開ける。
「寒江 雪は嘘つきな探偵。
新人ながら優秀な探偵。高いIQと洞察力で、依頼をこなしてきた。
しかし、過去は両親に暴力をふるわれ、13才で家を逃げ出した。
その後、孤児院に入りながら、隠れて年齢を偽り、夜の世界で金を稼いだ。18才になり、孤児院から出たあとも、年齢を偽り続けていた。
その後、探偵業へ手を出すが、嘘をつき過去を話さずにいる」
「事実です。全部、全部。
物心つく頃からきっと痣だらけでした。お母さんの顔は分かりません。思い出せられません。お父さんはいませんでした。ずっと。
それで、中学生になった頃、親が再婚したんです。相手の男性も、私に毎日のように暴力をふるいました。
ご飯は質素で、床で寝て、叩かれて、ずっとそんな毎日でした。
ある日、相手の男性、再婚相手ですね、が夜私の布団に潜り込んできました。そして体を触ってきました。
すぐに手を払い除け、布団から飛び出しました。すると、飛びかかられ、殴られました。きっとその時が、限界だったんだと思います」
まるで他人の生活を語るように淡々と話す。
「次の日のよる、家を出ました。宛もなく歩いて、ようやく孤児院を見つけました。そこにはおんなじ友達がいて、優しい大人がいました。とても、嬉しく、そこが居場所になりました。
しかし、高校生になると、無料では預かってくれなくなりました。当然ですよね。もう大人ですもの。
そして、簡単に稼げる、夜の世界へ入りました。21才だと偽って。地獄でした。ずっと、ねちっこい視線がまとわりついてきます。気持ちが悪く、吐き気がしました。でも、お金はありませんでした。なので続けていかなければいけませんでした。そんなことを三年間も続け、ようやく20才に慣れた頃ずっと憧れていた探偵になりました。小説は孤児院で、心の支えでした。幸いお金はありました。
やっとの思いで探偵になり、今にいたります。探偵は本当に楽しいです。でも、言われたとおりに嘘つきで汚れた人間です」
そう言い終わると、寒江の目は滲んでいた。
「大丈夫だよ、雪。今、楽しいんでしょ?なら、いいよ。誰も気にしないよ」
「そうです。寒江さんは、勇敢で、立派な人だと僕は思います」
「ありがとうございます」
そう言って、さらに目をにじませる。
「ケッ。仲良しごっこか」
鷹宮はなおも小さく悪づいている。
「これで全員です。一体誰がこんなことを...」
「あんただろ!あんたらだけおかしい!何が探偵役、だ!おい!犯罪だぞ!こんなこと!」
「そうっすね。犯罪っす。ほんとにこんなことする奴の気が知れないっすよ」
そう飄々と咏人が話す。
「ちなみに俺等じゃないっす。わかりやすすぎるっすよ。こんなの」
「確かにのう。ここまで綿密に調べておる。こんなバカはやらないじゃろう」
「じゃ、じゃあ誰なんだ!小娘、お前か!」
「ちげーよ。あたしだって、あることないこと言われてるし」
「じゃあ、誰だ!」
「わかんないっす。でも、なんで俺等がここに呼ばれたか理由が分かったっす。
ずっと謎だったんっすよね。俺等だけ浮いてるっす。俺等以外全員ミステリーに深く関連があるっす。
なのに俺等だけは浅いっす。ただの俳優っすよ。じゃあ、なぜ呼んだのか。
それは、数合わせと、ここにも書いてあるとおり、探偵が欲しかったんっすよ」
「探偵?なら、二人もいるわよ?」
「いえ、焦らない探偵っす。犯人は、この手紙をずっと用意してたんっす。んで、この手紙や公になると、全員錯乱する。この状況が何らかの理由で犯人には好ましくなかったんっす。
そこで、安全な二人組の探偵がほしかったんだろうっす。そこで抜擢されたのが俺等ってわけっす」
「でも、なんで二人組なの?」
「きっと数合わせだろうっす。この罪が書かれた封筒は六人分しかないっす。これだけの量をあとから追加して調べるのは骨が折れるっす。だからきっと、この六人に犯人は前々からピックアップしてたんだろうっす。その証拠に、俺らのと、皆さんの、文字のサイズが違うっす。
それで、六人は決まりましたが部屋の数的に、あと二枠余るっす。そこで、さっきいった通り、安全な探偵、仲の良い二人組みだとなお良し、が探されたんだろうっす。まぁ全部憶測っすけどね」
「でも、筋は通ってるわ」
「す、すごいですね。ほ、ほんとに探偵みたいです」
「ありがとうございますっす。(ホントは全部珪呀の推理だけどね)」
「でも、だとしたら私達の中に、犯人さんがいることになりますね」
思ったより長くなっちゃいました。
宿題に追われてて、寝るのが十二時過ぎちゃいます。
誤字脱字、感想、アドバイスなど、くださると嬉しいです。




