第70話 魂を刈り取りする者がやってきた
検知器をおいてから、3年が経ったある日、検知器から警報が発した。
この星系に大型宇宙船が入ってきた。
「もしもし、こちらパラレルワールド管理局のペリーと申します。接舷の許可をお願いします」
「了解しました。右翼のポートにお願いします」
ここは、正体不明の大型宇宙船の応接室。
「まず、こちら側から紹介します。私はパラレルワールド管理局の人種支援係のペリーです」
「私は、同じくマリーです」
「この星の管理人のアズサです」
「アズサの父のフリオです」
「フリオの妻のカレンです」
「フリオの娘のソフィアです」
「ご丁寧に、ありがとうございます。私は、ガルゴ、この宇宙船の船長と全権を持つ代表者です」
「副船長のヤエでございます」
「ところで、ガルゴ殿は、何用でこの星に?」
「あ・・・。この星で魂を育てておりまして、収穫に参ったのです」
パラレルワールド管理局のペリーが気色ばんで、
「ほぉー。それは、宇宙法に抵触する行為ですが、ご存じないのですか?」
「・・?・いや・・・、それは・・・」
ガルゴは知らなかったようだ。
魂があれば、仮想空間に居る者を実空間に召喚することができる。その方法も、ある商人から聞いたらしい。そのため、アマルを購入し、この星に投入したと。
彼らは、”フーリエ族”と言って、あの災厄の中に母星があった。気が付いたときは、母星との交信が途絶えたそうだ。外宇宙に出ていた、この船だけが残った。定住の地を探して2000年あまり彷徨っていたが、3000年前に、この星を見つけた。そして、調査したら、レベル1の未開人が住んでいた。議論した。
何せ、覚醒しているものは20人、保守運用のアンドロイドが300人、後は仮想空間の世界に住んでいる。およそ20万人が魂のない記憶だけの人が船内の装置に居る。
災厄以前のフーリエ族は、レベル7で、36億人(人口の9割)が仮想世界に身を投じていた。残りの一割が母星の地表に住んでいた。しかし、このような発展はシステムを維持するために資源を使い切ることで終焉を迎える。そして、後300年に仮想世界のシャットダウンが始まることがわかった。仮想空間に住む人々もパニックに陥った。そして、他の星への移住計画がすすめられた。近くへ遠くへと散り散りに。
やがて宇宙の収縮が始まったのである。
ガルゴたちは、新天地を求めて旅立ったいくつかの末裔だが、ラッキーなことに宇宙収縮に会わなかった。
ペリーはガルゴに視線を移し、静かに言った。
「いかなる生命からも魂を搾取してはならない。と我々は取り決めております」
「もちろん、パラレルワールド管理局の言い分には同意しますが、何せ私共の種の維持のためには、必要なことなのです。認めていただきたいのですが?」
「それは、ダメです。即刻離脱するか、消滅するかの、どちらかを選んでください」
「いやー、ずいぶん高飛車な言い方ですね。こちらにも、それ相応の手段は持っています」
「ちょっと待って!。”急いては事を仕損ずる”という諺があります。ガルゴさんも自分たちの置かれた立場をゆっくりお考えされてはいかがですか?。チャンスを無駄にしたくないでしょう?」とソフィアが間に入った。
「一つ確認したいことがあります。魂を持って、如何されるのですか?」
ガルゴの言うことには、仮想人格を生殖活動が可能な人造人間に移すとのこと。その技術も商人から購入したらしい。
魂の無い人造人間か??。どういうものなの。
「ペリーさん、魂の無い人造人間とは、どのようなものなんでしょうか?」
「一言でいえば、自主的に行動できない、ってことですね。それに、魔素が支配するこの世界で、フーリエたちの人造人間が機能するとは思えないが?」
(一体、持ち帰って試してみたが、やはり、機能に異常が生じ停止した)
それならば、こちらのホムンクルスを供給すれば、開拓地で働いてもらえそうだな。
いずれにしても、お互いで考えましょうということで、次回は10日後、マレイの家で開催することになった。




