第69話 種族が町や国になっていた
マルコス・カガクの調査報告には、人種が住んでいないところに、突如新たな種族が発生したように見えると。
確かに、町によっては種族が偏っている。新しいと思われる町ほど、その傾向が高い。例えば、カイの町の歴史は300年前に始まっており、一角鬼人が9割を占めている。
多くの町には、宇宙主流型と言われる人間種が多く居る。宇宙主流型は、2本の足で立ち、胴があって2本の腕と微細な動きが可能な3本から5本の指を持っている。胴の上に頭があって、その中には身体を制御する機能がある。制御に必要な周囲を認識する目と耳が備わっている。大概、食物連鎖の上位に位置し、食物を取り込んでエネルギーを取り出して活動する。
ミレーユ王国では、人種に多くの変異がある。なぜか、犬、狐、猿、猫など身近な動物と交雑した変異も見られる。獣人と言う括りも見られる。知能はまちまちであり、大きな魂を持っているのが、他の生物との違いであろうと言われている。
さて、魂とは何か。これがそうですと、示すことも手に取ることもできない。しかし、存在することは確からしい。魂を磨くことが今世の義務だという人もいる。
話をもとに戻すと、なぜ異種族の発生があるのかと言うことなのだが。
マルコスも、推論の域ではあるが、『誰かが、送り込んでいる。その名残が各地に存在している』と。
僕は、各地の伝承を探っていった。
マルコスの調査によると、この星には、普通の可視化太陽、魔素を放射する黄色い太陽、そして精霊光を放射する青い太陽の3つが巴になって見える。
今の星には、人間種を始め、さまざまな人種が住んでいるが、数万年前の子孫ではない。DNAなどを解析したところ、分岐しだしたのが3000年前ぐらいだと。
モデルは人間種だが、それに獣の要素を取り込んで、交互に番えて、多くの形質を表している。必ずしも親の形質が子供に現るとは限らない。なぜ、このようなことをしたのか推測もできない。
敢えて言うならば、一つの種族だとまとまりやすい。姿や言葉さえも変えれば突出した文明が出現しにくくなると?
誰かが連れてきて、或いは土着の生物を進化させたのかは不明だ。まあ、それはあまり重要ではない。
それより、その時この星にアマルが支払われた。と言うか、この星に投じられた形跡があることにびっくりした。
そのため、人種や動植物の進化・発展が促進されている。一つ考えられることは、魂を育て、いつの日か刈り取りに来る牧場ではないかと。
それで、念のためパラレルワールド管理局に相談した。
「それでは、これを設置願います。これは認識疎外装置でして、この星を外からは見えないようにします。刈り取りをしようとする者が近づいたら検知します」
パラレルワールド管理局の人種支援係のペリーから、装置を受け取り庭に設置した。




