第66話 セバスから連絡
久々に、赤い尻尾邸に帰ってきた。
「ルーレット様・・ルーレット様・・」
朝方、僕を呼ぶ声で目が覚めた。
「ルーレット様・・暗号を・・」
「僕はルーレット・カガクだ。ぱぴぷぺぽ」
僕は、頭に浮かんだ、パスワードを名前の後ろに唱えた。
「ルーレット・カガク様。認識しました。これより本艦を再起動します」
前から時々、空を見上げると、いつも同じ位置にキラッと光るものが見えた。あれが、僕が乗ってきた宇宙飛行用の母船だった。
「ルーレット様、今からそちらにうかがってもよろしいでしょうか?」
「いや、ちょっと待ってくれ。パートナーに説明してからだ」
「御意!」
ということで、ここは青い館の居間。
カレン、アズサ、タロウ、ソフィアと僕の5人が座っている。
「実は、これこれしかじかで、僕はルーレット・カガクで、あの空からやってきたのだ」
「と言うことは、やっぱり、マルコス様のご先祖さまなんですね?」とカレンが頷く。
「それで、明日、あの空のもっと向こうにある僕の宇宙船から執事とメイドが数人、こちらに降りてくるので、一緒に迎えてほしい」
「「「わかりました」」」
銀色の流線形をした小型艇が、音もなく降りてきた。
機体の横からタラップが出くると、そこから黒のスーツに身を固めた執事とメイドが進み出てきた。
「ルーレット様、ご無沙汰しております。お元気そうで、私セバス、この上なく喜んでおります」
「「「ルーレット様、お久しゅうございます」」」メイドたちが声をそろえた。
セバス一行は、僕の横に連なるカレン、アズサ、ソフィア、タロウを見て挨拶した。
「執事のセバスと申します。よろしくお願いします」
「メイドのアヤメです。よろしくお願いします」
「メイドのユキです。よろしくお願いします」
「メイドのコウメです。よろしくお願いします」
「メイドのボタンです。よろしくお願いします」
「メイドのユリです。よろしくお願いします」
「とりあえず、私セバスを入れて6人が先行しました。必要に応じて母船から調達いたします」
「それより、待機50年より短いが、なぜに?」
「さて?。母船では50年が経ちました。こちらでは・・・?。既に奥様もお子様もおられます?」とセバスが首を傾げた。
時間軸が、母船とこの星とでは異なっているようだ。ちょっとずれが大きすぎる感がする。パラレルワールド管理局が来た時に聞いてみよう。まあ、故意に早めたわけではないので、このまま進めることにした。
「ルーレット様、乗ってきた小型艇の様子が変なのです。操作盤が効かなく、もちろん浮かびません。タラップの出し入れもぎくしゃくしています。なぜでしょう?」
「ああ、それな。この星には特性があって、電子・電気の特性が魔素で阻害される。だから、電子機器で制御されている小型艇は動かない、母船には帰れないよ」
「ほぉー・・・・」冷静沈着なセバスが絶句した。
「じゃあ、フリオって8000歳なの?」とアズサが驚く。
「まあ、歳なんてものは、宇宙をあちこちしていると、わからなくなるものさ。8000光年の彼方に光速で旅をすると、宇宙船の中では数年と言うこともあるそうだよ。まあ、自分では500年ぐらい生きてるように思うけどね」
「「「ほぉ・・・」」」
ソフィーズたちも、感心したようにうなずいた。
さて、僕の母船の仲間をどうしようか。
ほっとくわけにはいかないし、かといって脱出不可能なこの星に下すのも考え物だ。
「セバス。どう思う?」
「そうですね。個々の選択に任せましょう。母船の保安要員のように降りられない者もいますので」
「じゃあ、と連絡のしようがないかな」
「いえいえ、地面にその旨を書けば、母船から読めます。一方通行ですが」




