第64話 ノルダ開拓地を作る
果ての集落から、北へは湿地帯と草原とブッシュの丘陵地帯が広がっている。作物もできず、人も住んでいない。一応ミレーユ王国の範囲だろうか?。
王都と迷いの森の間には、大きなユカリ河が北から流れてきており、湿地帯が幅10キロメートル、北へ50キロメートルほど広がっている。その湿地帯からは高さ500メートル断崖が北へ続いている。その断崖の上が、開発予定地だ。およそ東西200キロメートル、南北1000キロメートルの広大な草原とブッシュの乾燥地帯である。
まあ、僕たちの魔法力と、青の館からの助勢を加えれば、3か月で、およそ10キロメートル四方の耕作地が作れるかな。でも、派手にやると、目を付けられるし、侵略行為としてトラブルになるかも?。
まあ、5年を目途に第一次開拓を終えよう。
早速、塩を手土産にして、宰相のマサムネに会いに行った。
計画を淡々と説明して、王国のメリットを重々に説明した。ちょろいもんさ。だめでも、契約金は王国に入ると言うと、コロリだった。
一応、根回しは済んでおり、宰相の許可も下りている。最終的には王様の言葉を頂くという段取りである。
王様は書状を手に持って、
「大変だと思うが、よろしく頼む」
と、お言葉を頂くことができた。
宰相に契約金、金貨1000枚相当の宝石類を納めた。開拓成功の折には半分返えせば良いという特約付きで。
さらに、向こう5年間は無税である。その間に開墾して人々を集めなくてはならない。
ノルダ開拓地は、迷いの森に接した西の丘陵地で、およそ東西200キロメートル、南北1000キロメートルの広大な草原とブッシュの乾燥地帯である。だから、誰も住んでいないし、今まで開拓もされていない。
もっとも、ミレーユ王国の領土かどうかも疑わしい。人が住んで、庇護下に置いたところが、王国の領土となる。
したがって、ミレーユ王や宰相は、できもしないと思いながら、領土が広がるならば一挙両得と判断したのだ。ただ、さらに北のミズキ王国や遊牧民などの襲撃があったとしても、守るつもりもないらしい。
ということで、僕はノルダ開拓地に取り掛かった。ノルダ開拓地の整備計画を考え、地図を覗き込んで、河の位置や耕作地、用水路などを決めてゆく。
迷いの森に降った雨や雪は、山々の直下で地下に浸み込む。その前に取り出してやれば良い。
そう、丘陵地にある川は、大雨以外は地下水路となっており、川底を浚えば流れる水が見えそうだ。
俗にいう水無川だよ。
地下から水を組み上げる装置を作る。この世界ではメカニックなものは、ご法度。で、風車と水車ならばOK。
風車を作ることにした。設計図を書いて、カレンに渡す。カレンとタロウが近くの木を材料にパーツを作って行く。直径30メートルぐらいで、深さ20メートルの水脈に汲み桶を順次引き上げてゆく方式である。100リッターの桶を毎分50個で回すと、毎時約300立米ってとこかな。これを、500メートル置きに5キロメートル配置する。
まず、整地から始めた。
幅50メートルの道路を碁盤目にとおして、一区画1キロメートル四方を農地にしてゆく。
ソフィーズたちも加勢に加わった。
17人で、ダンダンダンだよ。
ソフィーズたちも懐かしがって、毎日楽しくダンダンダンだよ。
取りあえず、東西20キロメートル、南北10キロメートルの広大な草原とブッシュを10日間でフカフカの土にした。1キロメートル四方が200区画。
木の根や石などは粉砕され、土の中に混ざった。
森人に頼んで、腐葉土を迷いの森から取り寄せることができた。
さらに、リン、窒素、カリウム、リンなど必要な養分を粒状にしたものを大量にコピーアンドペーストで増やして用意した。撒くのは作物の育ち具合をみてからだ。
さらに人手をマレイ領から、モモコとアオシをそれぞれ500人ほど動員した。
水路を碁盤目に作り、早速水を流してみた。綺麗な水が畑にどんどんと浸み込んで行く。まあ、こんなものかな?
開拓者を果ての集落や近在の村、そして王都での勧誘を行った。
一家あたり、農地250メートル四方と家を貸し出す。5年間は無税。
麦で、15トン以上(10a=300Kg)は取れるはず。10kg 600マルだと90万マルの収入となる。
税金で6割なので、36万マルが手元に残る。町民の平均所得が80万マルから見ると、まあまあの所得になる。
基本は物々交換なので、結構食べる分には問題ないだろうとの算段。
あまり、好条件を出すと、引き抜きが過ぎると、王国や町の有力者の印象が悪くなる。
ほどほどに、しないとね。




