第63話 魔石工場を作る
魔石は需要がある。売れる。儲かる。社会に貢献できる。
そう、魔石は主に家の灯りや町の街路灯などに使われる。その他では、炬燵やカイロなどちょっと温かみを得たい場合に重宝している。
魔石は、この星に生きている動物から得られる。よく見かけるウサギやネズミ、リスなど小動物では、大豆の大きさで、街路灯で10日は効果あるかな?ほどだ。
市場の買取は、大豆の大きさで1500マル銅貨15枚程度になる。
銅貨一枚で屋台の串焼き一本、晩飯は銅貨5枚が必要だ。
ウサギやネズミ、リスなど小動物を追っかけても、素人では一日五匹が精々。プロの狩人でも20匹ぐらい。それも魔石を持っているのは100匹に1つ。まあ、簡単には手に入らない。
さて、僕らマレイ家の科学力で、電子を魔素に変換する装置を開発中である。基本的には母船とマレイ家が必要とする装置類に限って運用するつもりである。
が、社会的貢献に加勢し、マレイ家の影響力を拡大することに利用する。行く行くは・・・・・。
僕の野心は・・いやいや、純粋な思いは安寧な世をもたらすことだよ!。
これまでは、飛空艇の動力などを青い館の一室で作っていたが、流通を考えてグリン町に工場を作ることにした。
現状の需要は多くが灯りであり、供給は漁師や家畜を育ているところ、それから専門に生計を立てている人などから手に入る。限りがあるが、まずまずバランスしているようだ。
そこへ、マレイ家の魔石を放出すると、魔石採取で生計を立てている人たちが、もろにその影響を受けて収入が減る。したがって、需要とセットにする必要がある。
さて、どのような需要があるのだろうか?
前々から市場調査を行ってきている。このデータを解析してみると。
1,市場には貨幣が少ない。特に一般人は物々交換が主である。
2,土に活力が無く、収穫率が悪い。
3,近隣諸国とのいざこざや戦いが多く、ケガや戦死が多い。
4,スラムが多く浮浪者や孤児が多い
5,宗教がない
6,治安システムがない
うーん。問題をあげればきりがない。
生産性を向上させれば、全体に潤うことになるし、考える余裕が出てくると思う。
ミレーユ王国の治政に手を出すつもりはない。
直接はね。
僕としては商いができればいいのだから。そのためには皆が豊かになってほしい。
大豆の大きさの赤い魔石が、装置からポロポロと出てきた。
それを照明回路にセットして、灯りを点した。
「成功です。乾杯しましょう」
「「「おめでとう」」」
マレイ商会を通して、各地に販売を開始した。
ウサギの魔石より小ぶりだが、一個1400マルで販売している。
実際にウサギから取れる黄色い魔石は大豆ほど大きさで、1500マルの取引価格となっている。
街灯で使用すると10日ほどは持つ。
その後、空の魔石に魔素を充てんする仕組みを作った。
魔素を放出し終えた魔石を集めてきたら、一個当たり50マルで買い取る仕組みは、未就労者や孤児たちの収入源の一部となった。
まあ、資源と金の循環は必要だ。




