第62話 なぜ孤児が多いのだ
店を構えて店番をしていると、すぐそこの路地や、人ごみの中にみすぼらしい子供を見かける。
うーん。これは定番の孤児救済イベントか?
どこの世界にもある。まっすぐ育たなかった子供が大人になるのだから、悪い大人ができてしまう。そうならないためにも子供の救済は必要なんだね。しかし、理想と現実は異なる。苦労すれば、しっかりした大人になるかも知れない。だけど、苦労しなければ適当な大人ができる。まあ、本人次第のところもある。悪くなる外的要因を減らすのも良いのだろう。
早速、近くの孤児院に行ってみた。
「こんにちはー」
「はーい」
小奇麗な、おばさんがやってきた。彼女の周りに子供たちが群がっている。
「みなさん、お客さんですからね。向こうで遊んでね」
あ・、これは外れた。
子供たちも小奇麗だし、栄養も行き渡っているようだ。とりあえず、寄付の申し込みをして、世間話をしながら情報を収集した。
おばさんは、ナタリーと言って、この孤児院の院長をやっているそうだ。子供は0歳から12歳までで、35人いるとのこと。このような孤児院がその他に4つほどあって、区長がトップらしい。
店から見えた、みすぼらしい子供たちはスラム街の子供だそうだ。確かに、スラム街は人たちは貧しいだろうな。なぜに、スラム街があるのかと言う問いかけには、やはり応えが無かった。ゆっくり調べよう。
町で小耳にはさんだ、”子供の交換会”のことについて聞いてみたが、気色ばんで応えてくれなかった。
お茶とお菓子を頂いて、お暇した。
「アズサ、子供の交換会の件、ちょっと調べてみようか?」
アズサが交換会を調べたところによると、夫婦に似合わない形質が発現した場合、交換するらしい。
例えば、犬種の夫と、猫種の妻の間にできた子に、ウサギの耳が出た場合などである。交換会でウサギ種の子供を欲している人と交換するとのこと。また、養子としての譲渡もあるらしい。
交換できない場合、心無く捨てるらしい。それらを拾って育ている孤児院が、その役目を担っている。しかし、その運営は区長がトップを行っており、健全に育っている。
さて、問題はスラム街の子供たちだね。
成長期の子どもに対する食事は、子どもたちが一生涯にわたって健やかに生きていくために重要なことである。
きちっと食べなきゃ、真っ当な考えができない。うん。そのためには、あの子供たちに食事を与えよう。材料はマレイの農園から提供できる。
しかし、ここで問題が一つある。よくあることだが、どこにでもやっかみやねたみが、いやがらせや暴力にいたることである。まず、区長に話を通すことにした。
まったく、世話好きというか、痩せた子供を見ると、ついつい手を差し伸べたくなる。これは、ルーレット・カガクの、ただ一つの弱みだ。




