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第61話 人の種類が多い星

それにしても、これだけ人の種類が多いと、支障はないのだろうか?。


恋愛とか結婚とか。衣食住とか。

ウサギ種はニンジンが好きだけど、人間種の子供は嫌いだよね。

食の違いはなかなか我慢できないものだ。


市場の衣服屋さんは、犬族用、猫族用、猿人用などなど、たくさんの品を揃えなければならない。そして、犬さんと猫さんの子供が、どちらになる保証がない。遺伝子の中に、多種多様な形態が用意されていると思われる。なんとも意味が解らん。


もっとも厄介なのは、忌避と格差、そして、優劣と排他まで展開してゆく。


僕は、青の館でマルコス・カガクが調査したノートを見ている。

多様な種族の根幹は一つのDNAに基づいている。誰が何時そのような手を加えたのかはわからないが、人型の遺伝子に細工をしたのは事実だ。だが、それがすべてではないと。


マルコス・カガクの考察では、見た目が人類の発展に及ぼす影響を研究していたのではないかと。しかし、研究を解除しないまま、その人類は滅んでしまったようだ。勝手な話だ。


しかし、数千年の歳月は、それなりに均衡を保った社会となっていたのが現実だと。

マルコス・カガクは、敢えて手を出さなかった。あくまで第3者の立場を貫いた。


僕たちも、マルコス・カガクの考えには賛成だ。


「マスター、私は元に戻すべきと思うのですが。”知らずしてそうなった。では知らずして元に戻った”、でも良いのでは?。科学が捻じ曲げた結果が、この星の実態ならばですね。文明文化、さらに魂の進化に混沌をもたらしていると確信します。捻じ曲げた人達は滅んでいます」


「うーん、確かに何が正しいかの議論は、当事者が決めることでもあるね。すでに当事者は滅んでいるので、同じ科学力を持っている我々が元に戻すのは理にかなっているようにも思う」


僕は、思案した。

答えは、”放置”であるが、やはり、引っかかるところがある。

記憶を探ると。


「あ!そうだ、パラレルワールド管理局に聞いてみようか?」

「パラレルワールド管理局?」

「そう、宇宙の発展を見守っている、レベル10の生命体の組織だよ」


青の館には、パラレルワールド管理局が訪れたことが記載されていた。連絡方法は、なるべく宇宙の真ん中と思われる方向へ、呪文を唱える。

”ハーレハレ、ソーワカ、トルデンチア、コマンタル、タタダダン”を10回唱える。

なんたって、これで伝わるなんて信じられるかな?。


3人で、東の空に向かって、唱えたよ。

「お父さん、何時来るの?」

「うーん、確か10日ぐらいかっかたような。まあ、急がない、急がない」



3日目にやってきました。


「こんにちは」

マレイの家に子供が二人でやってきた。スーツ姿。


「どうぞ、お入りください。僕はフリオ・マレイと申します」

「私は、フリオの妻のカレンです。よろしくお願いいたします」

「息子のタロウです。よろしくお願いいたします」

「娘のアズサです。よろしくお願いいたします」


「遠いところをお呼びだてして申し訳ございません」と僕。


「私はパラレルワールド管理局の人種支援係のペリーです」

「私は、同じくマリーです」


カレンが、2人にお茶とお菓子を差し出した。

まあ、世間話に一時花を咲かせて、和やかな雰囲気になった。


「では、本題に入ります。実は、これこれしかじかで・・・」


パラレルワールド管理局には、”この星は、アズサ様の意のままに”と言われてしまった。


「アズサ様??? 私、そんな”様”で呼ばれるような立場ではないと思うのですが」


「この星は、56代目魔女マリル様からアズサ様に譲渡されています」


まあ、不思議なこともあるもので、ペリーさんの言うことには。

「この星系には、数万年前に異世界から技術者の集団が転移してきて繁栄した。しかし、栄枯盛衰、いつの間にか人口が減って、数千年前に、それまで、庇護役を担っていた魔女が、その役割は終わったと言って、自らを封印したのです。

ところが5年前、フリオ様たちが廃都市に行かれましたね。その時、魔女のマリル様が目覚められ、その後お会いしたと聞いております」


なんとも数奇なこともあるものだ。

ということは、アズサはこの星の魔女なの?


「まあ、結論を急ぐことはありません。すでに数千年が経っていますので、ゆっくり考えて対応されてはどうでしょうか?。幸い、レベル7のルーレット・カガク様もおられるのでご助力いただけると思います」


「はい、確かに、僕はルーレット・カガクですが、今はフリオ・マレイと名前を変えております。以後フリオでお願いします」


パラレルワールド管理局さんの言う通り、急ぐことは無い。

各地を巡って、現状を見ること。それから考えてもよいかと。


「そうそう、この端末をお貸しします。これからもよろしくお願いします」

と言って、ペリー達は帰っていった。



あれ!、そういえば、最初からパラレルワールド管理局さんに、連絡して母星とコンタクトしていれば良かったのでは?。でも、はるか未来、5000年ほど先に飛ばされたみたいだから、あの宇宙収縮災厄で母星もあるのかどうか?。それより、アズサと会えたこと、新しい冒険ができることの方が、ずーっと良いよ。


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