第41話 ファティマとの溝
ファティマは活発な子だ。
しかし、他の子と違って僕にあまり近寄らない。
話しかけても、話が続かない。
どうしたものか?。
「ファティマ、どうしたの?最近元気ないね」
「うーーん。なんでもない」と小さな声で、そそくさと立ち去った
お父さん役として、子供たちには接してきた。
いつも気にはかけているが、細かいことは言わない。
どんなに忙しくても、子供からの働きかけには応える。
「アズサ、どう思う?」
「それはね。下手にかかわらないことね。そっと様子見をするの。絶対詰め寄っちゃダメよ」
「ソフィアはどう思う?」
大人会談に思いを打ち明けてみた。
「うーん。まだ早いと思うけど?。思春期かな?」
ファティマの実家は厳格なところで、ソフィアも家庭訪問では、その厳格さにびっくりしたと言った。
そのような生い立ちから、自由な環境に増して、冗談みたいなウサギさんの奔放さが納得できないのでは?。
一応、ソフィアもカレンも、それとなく様子を見ること、フリオは何もしなくて良いことになった。
僕は、『冗談みたいなウサギさんで奔放』なんだ。えぇっ、みんなそう思っているの・・・。
そうは言うもの、お父さん代理としては、気を揉むことに変わりはない。
それからも、庭の東屋で、ひとりポツンと座っているファティマを見かける。
「フリオ、大丈夫だよ。闇の精霊は近寄っていないから」とアズサが応えた。
えぇっ、アズサ、何時の間に精霊の有無を感知できるようになったの?。
それにしても、精霊ってなあに??。
聖獣様がいるよね。それとの関係は?。
今度、行商人のガロムに聞いてみよう。
ファティマの件は、あっけなく幕を閉じることになった。
「どうして、あなたはフリオなの?」
家の前の長椅子で、転寝をしていると、耳元で声がした。
薄目を開けると、そこにファティマが、僕の顔を覗き込んでいた。
どうしよう。なんと返せばいいのだろうか?
「ねえ、どうしてアランじゃないの!」
話を聞いたよ。
5歳の誕生日に、ウサギのぬいぐるみをお父様からもらった。
それが、僕 そっくりで、アランと言う名前を付けていた。
「そんなあぁぁ」僕は絶句した。
ファティマはアランに似た僕をぬいぐるみとして、抱きしめたいけど、それができない。
そんな葛藤に明け暮れていたそうだ。
それを聞いた大人たちは、
「「「フリオを抱きしめるのはやめようね!」」」
と声を揃えてファティマに言った。
そこまで言わなくても・・・・。
それからも、変わりなくファティマは僕の近くにいる。そして、隙を見ては僕のお腹に、突撃してくるのだ。
どんな意味??




