第40話 転移魔法
僕は、ウサギさんの足があるので、遠出は問題ない。
アズサは、シロの背中があるので、問題ない。
カレンとタロウ、ソフィーズは、時速4キロメートルの歩きと、時速15キロメートルの走りになる。
ひいらぎの魔導書を紐解くと、”場所特定できるほどにイメージを明確にすれば、そこに転移できる”とあった。
『特定』が、なかなか難しい。ユニークでないと発現しない。例えば、毎日通う川べりを想像してみると、本当に特定できるのか、はなはだ自信がない。同じような場所はたくさん、あり得る。
もっとも、あの50メートル先の木の下を特定したとしよう。『あそこに転移!』は有効なのか?
うーんと、パッと消えて、パッと出現する。その仕組みは?。
ひいらぎの魔導書には、仕組みについて何も触れられていない。
「フリオー、考えても先に進まないよー。やってみようよー」
アズサは、理屈ではなく感覚でことを始める娘だ。
まったく、誰に似たのやら?
失敗しても発現しないだけで、”腕一本先に転移してしまった”何てことは起こらないよね。
やっぱり、安全第一だよ。
小さな石や果物から始めようか。
アズサがリンゴを手にして、
”転移 トラントランス”と唱えた。
リンゴが、こちらのテーブルから、あちらのテーブルに移動した。
パッと消えて、パッと出現した。成功だ。
次は少し大きなもので、椅子をあの木の下に転移。
成功したよ。
でも、アズサが魔力切れで、倒れてしまった。
かなり、魔力を消費するみたいだ。椅子を50メートル先に転移する魔力量は、30MPだった。
次回は、生き物を試してみよう。
結界魔法を考えてみよう。
「結界ってなんだっけ?」
「一定の領域を区切って、外からの干渉が無いようにするもの。かな?」
物と言うからには、膜みたいなものだろうか。そのような膜の中に入れば、炎や風、刃、矢などの外力から守られる。
膜をイメージ、炎を通さないイメージ、矢をはじくイメージなどなどを積み重ねてコンパイルする。そして、それには”万能結界 20メートル セーブセーブ”と唱えると、結界が発現する魔法となった。
これも、魔力をたくさん消費する。24時間持続させるには、50MPが必要となる。
今の僕たちでは、10メートルの球状で24時間がやっとだ。
さあ、次々と魔法を具体化していこう
ひいらぎの魔導書には、多くの魔法を書かれている。が、具体的な記述があるわけではない。
それらしい記述を何度か読み込んで、やっとヒントを掴むことができる。
例えば、治癒魔法については、延々と身体の構成や細胞に至るまで語られており、それらの理解の上に治癒魔法が成り立っている。裂傷には単に皮膚を塞げば良いわけではない。血管をつなぎ、神経をつなぎ、細胞の増殖を経なければ治癒にはならないと。これらを積み重ねて、コンパイルすることで、”治療! なおれなおーれ”になる。
町を作り、国を作って行くために必要な魔法も上げてみた。
トンネルを掘るために掘削魔法、鉱物を精錬する錬成魔法、より遠くに行くために飛行魔法も。
急ぐことはない、ゆっくりサバイバルをやりながら建国をやろう。




