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第38話 行商人が荷車を引いてきた

「こんにちは。フリオ様はおられますか?」


久々にガロムがやってきた。


「やあ。三か月ぶりだね」


「驚きました。人が増えて、家まで立派になって」


あちこちから、ソフィーズたちが集まってきた。アズサもシロも居る。

いつものように、ガロムが荷車から商品を下して並べだした。そう、荷車を引いてきたようだ。

引いているのは、ロバのようだがちょっと小さい。



いつものように、シートを広げて交易品を並べる。

布、香辛料、種、糸、ロープなどなど


こちらも、アクセサリ、干し肉、干し魚、ウサギの毛皮、ぬいぐるみ、人形などなど

にゃん吉たちにも連絡したので、明日はこちらにやってくる。


「今日は、リバーシという遊具を見せるよ」


ソフィアに白黒のリバーシを用意してもらった。そして、ガロムにやり方を教えて、実際にやって見せた。


「フリオ様、これを是非売ってください」

食いついたね。


「ちょっと器用ならば真似をして作ることができる。そうなると、僕らに益が入ってこない。益が入ってくる仕組みがあるのならば教えてほしい。もしないのならば、当分この家からは出せない」


「あります。元祖権利保護というのがありまして、商売をする場合は必ず、その商品に元祖権利が付いているかどうか確認することになっております。リバーシもフリオ様が元祖権利をお持ちだということを商業ギルドに登録することによって保護されます。もちろん権利料がギルドから支払われます」


商業ギルドというものがあって、商いのルールが定められ、保護されているらしい。

早速、リバーシの登録手続きをしてもらうことにした。

リバーシで儲けようとは思っていない。この世界の商売の仕組みを知って、必要ならば力になろうと思う。なんたって、僕は宇宙を牛耳っていた星間行商人のルーレット・カガクなのだから。


ソフィーズの作るぬいぐるみは、町の子供たちが欲しがるかもと、5体ほどが売れた。その代わりの品として、布や綿など素材をもらった。


にゃん吉たちや森人たちも加わり、量も品ぞろえも多彩になってきた。


「フリオ様。大変お世話になっております。一カ月ごとにこちらに寄らせていただいております。できますれば支店を設けて、より皆様のお役に立ちたいのですが、如何でしょうか?」


それから、一カ月してガロム商店のマレイ支店が開店した。支店は赤い尻尾邸の南側へ100メートルのところにテントが張られ、ガロムの弟、キリムが就いた。

キリムには、マルカと言う妻と息子のパルがいた。



パルの庭


お父さん(キリム)に連れらて、この何もない村にやってきました。寂しい。友達も遠い。

僕はパル、11歳。フリオ様の娘さんのアズサさんと同じ年だ。


アズサさんは気さくで、時々クッキーをくれる。おいしい。

今日は二人で、薬草探しに近くの草原を歩いている。

アズサさんには、聖獣様がいつも一緒です。時々、聖獣様が僕の方をじっと見ます。怖いとは思いませんが、身体がすくみます。


今はテント暮らしです。いずれ、家を建てて店にするそうです。お父さんもお母さんも、忙しくしています。

時々、村人がテントを覗きに来て、物々交換してゆきます。村人は、フリオさん一家、ソフィーズの皆さん、にゃん吉さんたち、それに、森人さんたちもやってきます。


「ねえパル、店の前にお花を植えてみない?。きっと素敵よ!」


アズサさんが、色々な花を抱えて、声を掛けてきたのです。


「お母さん。どのあたりが良いかな?」


「アズサちゃんたちに任せるよ」とキリムの奥さんのマルカが応えた。


アズサさんの他に、ロゼちゃん、ローザちゃん、テリアちゃんもいた。

5人で、スコップを手に手に、まあるい花壇が出来ました。

そして、テリアちゃんが


「お花大好き、すーくすーく」って魔法をかけた。


すると、お花たちがみるみる元気になって、沢山花を咲かせました。


すごーい。僕もできるようになれるかな?


10時ごろ、赤い尻尾邸にゆくと勉強時間だ。その中でサイエンスと言う授業がとても面白い。

知らなことが、沢山あった。この星と3つ巴の太陽のことなど。

生き物についても、植物と動物に分けられて、その中がさらに細かく分類されている。

トマトやジャガイモは同じような野菜で、連作ができないとか。今度、なぜ連作できないか先生に聞いてみたい。先生は、ソフィーズのソフィアさんで、とてもやさしい。


アズサさんは、とっても活発で、彼女と木登りやかっけこするのは楽しい。アズサさんには、聖獣様がよく一緒におられます。この前、アズサさんと一緒に聖獣様に乗せてもらいました。その話をお父さんにすると、聖獣様に失礼だから、お前は止めろと言われました。



本当はね、僕は女の子なんだ。名前はパティ。

なぜって、行商に女の子が混じっていると、怖い狼が寄ってくるんだって。どうしてかな??。

なぜか、赤い尻尾邸の人たちは、ぼくが女の子だってわかっているみたい。


みんな仲良くしてくれるので、今は幸せだよ。


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