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第36話 日常品を作る

長い冬の間に、いろいろ日常品を揃えることに挑戦してみた。


これまでは、何とかやってきたけれども、家族が増えたので、日常品もきちっと揃えねばならない。

そして、我々だけではなく、森人やにゃん吉、他の村人でも作れるように考えよう。


勉強には紙と筆が必要だ。

紙づくりはソフィーズたちに任せた。


リグニンは紙の劣化につながるので、リグニンの少ないコウゾ、ミツマタなどを使う。

早速、野山を探しに行く。


 皮を剥き易くするために蒸す。桶に水と一緒に入れて魔法で熱を加える。

皮をむく作業はちょっと面倒だ。

魔法で水分を取り出す。

 魔法で乾燥させる。

 乾燥したものを魔法で粉々にして繊維を取り出す。

手作業で、オクラなどの粘着液を粉砕した繊維と混ぜる。

混ぜたものを板の上に、魔法で均一に薄く貼り付ける。

 天日に干して、出来上がる。


特殊な魔法は使わずに、一般的な魔法でできる工程をいくつか試して、定型化した。

当面は、ソフィーズの仕事だが、ゆくゆくは森人やにゃん吉たちの仕事にしたい。


それにしても、紙づくりは結構手間暇がかかる。まあ貴重なものには変わりない。


ガロムが持ってくるものは、それに近い製法らしいが、原料が藁や草だそうだ。僕たちが作ったものは、肌触りもよくインクの乗りもよかった。もちろん、ガロムとの交易品をして重宝された。



ソフィーズの服も、アズサのコピーアンドペーストで必要数を作った。デザインとかも要求があるので、それは僕のクラフト魔法で、叶えている。

コピーアンドペーストで、多めに作ることもできるが、この星には無い素材なので、交易品にはしていない。


一般的な布作りに挑戦することになった。機織り機だよ。


ガロムに村での作り方を聞いたところ、横糸を一本に縦糸を60本ほど用意して交互に被せてゆく方法らしい。

糸の太さは1ミリほどあって、100本の縦糸で横糸を密にすれば幅50センチメートルの布にできる。まあ、手作業なので大変だそうだ。

厚みがあって、ごわごわして、決して布とは呼び辛いものだ。


さて、この交互に被せるところと横糸を通すところを機械化しよう。この辺の器用さは、ソフィーズのルイスが得意で、その補佐にカーラとロゼが加勢している。


出来たよ。

ガチャンガチャンと足踏みで縦糸を仕分け、手で横糸をカラカラと走らせる。

まあ、ソフィーズの魔法ならば、パッパッとできるかも知れないが、一般の人にもできる手段を備えなくてはね。それに、これは売れる。


カーラが色糸を用意して、混ぜ込んで、様々な模様のある布を編み出していった。

糸の材料にも、様ざまのものが試された。ミドリムシから吐き出された繭から糸を紡だものは、光沢も肌触りもすべすべのものが得られた。



歯ブラシも作った。健康には歯が大事だよ。

歯磨きには、清涼感を出すために、ミント系のハーブを混ぜ合わせたものを用意した。研磨剤は入れない。

僕もアズサも、カレンとタロウも、ソフィーズたちも、歯磨きをする。



これらの、紙、布、歯ブラシはガロムとの交易品に使った。

交換した物は、香辛料、鉄材、荷車など。


僕らでも作ることはできるが、それでは交易が盛んにはならない。交易が盛んになれば、欲しいものが手に入りやすくなるし、生活の向上につながるのだから。

交流は文化文明を進化させる。商いにも深みが出てくるよ。楽しみだな。



紙、布、歯ブラシなどの生産に、森人やにゃん吉たちをと声を掛けてみたが、反応が鈍い。やはり、新しいものへの欲求が芽生えるには世代交代が必要なのかも。



ゆっくり、経済の発展を目指そう。


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