第33話 子供たちの一日
朝起きたら、顔と洗って散歩に出かける。
およそ30分。
アズサとカレン、タロウの4人で散歩をしていたが、今は13人増えて、17人と一匹。
にぎやかだ。途中、にゃん吉さんやグリンさんたちが合流することもあった。
アズサとカリーナは朝食の準備。カレンは子供たちと子供部屋の掃除とシーツやパジャマをまとめて、洗濯場に持って行く。
洗濯は、大きなドラム型のタンクに入れ、後は水と洗剤を加え、魔法でかき混ぜて汚れを落として、乾燥まで全自動だよ。
洗剤は、アズサが開発したものを改良して、沢山作った。
ルイスとカリーナは兄妹で、子供たちの面倒見がとても良い。ソフィアの補佐的役割を担っている。
子供たちの特性能力は、生物の育成のようだ。それだけでなく、ここにきてから炎を出したり、風を送ったり、土石に関与できる能力も加わった。
アズサのコピーアンドペーストや僕のクラフトなどのスキルは持てないようだ。
今日は、アズサがロゼとローザを連れて、薬草の採取に行っている。
タロウとルイスとホセは、釣竿を持って、西の川に行った。
ビクトルとテリアは、カレンの家事を手伝っている。
フアンとカルロスとミゲルは、僕と一緒に罠を見に行った。
カリーナとファティマとカーラは、倉庫の整理を引き受けた。
まあ、なんだかんだで、用事はあるものだ。
朝ご飯が済んだら全員で今日の予定を話し合って、用事をこなしてもらう。
続いて、勉強だ。さすが、世話役ソフィアさん。子供たちの勉強道具を持ってきていた。
しかし、残念ながら正常に作動しなかったので、ソフィアが呆然としていた。
「フリオさん。私たちが持ってきた電子機器がすべて動かないのですが、なにかご存じないですか?」
「あぁ、それね。この星は電子ではなく魔素が使われており、電子機器は一切稼働しないよ」
「と言うことは、これもダメなのかな?。声を出さずにコミュニケーションが取れたり、画像や音を記録したり、辞書などが入っているの。それに指導要領書も」
皆が身に着けているブレスレットを見せた。
「あぁ、それで同じものを身に着けているのだね。それは使えないよ」
「使用できるようには・・・。・・・ダメでしょうか?」
「わからない」
マルコス・マレイが研究していた青い館にある、研究資料を読み解けば、そして技術があれば可能かもしれないと、フリオはソフィアに伝えた。
ソフィアは、子供たちの勉強をどうするか、考える。
「あのー、フリオさん。この星の文明はどのようなものなのでしょうか?。それと他の星との交信は可能ですか?」
「僕も、ここに来たのは7年前。マルコス・マレイが手記や研究書によると、この星はレベル3の初期で、なぜか魔法が使えるよ。実際、魔法については、今までの日常の中で認識していると思うが。それと、交信手段はないよ。マルコス・マレイの屋敷にはそれらしいものが有ったようだが、すでに朽ち果てているよ」
「そうですか。子供たちにこれまでの勉強を続ける意味は無いですね。フリオさんはどう思います?」
「今は、必要ないと思う。生活してゆくことで手一杯かな」
ソフィアは、取りあえず今までのような勉強は諦めた。
「ソフィア、マルコス・マレイさんの資料を見ていいでしょうか?。できれば端末を治したいのですが」
声を掛けてきたのは、カーラ。彼女はおとなしく、控えめなのだが、くりっとした目と明るいブラウンの髪をしている。
カーラが僕のところにやってきて、マルコス・マレイの魔素研究の資料を見せてほしいと。
「これなんだけど、読めるかな?」
「大丈夫。これまでの会話と照合して、翻訳するから」
カーラに加えて、カルロスが入って喧々諤々の議論を見かけるようになった。
「基本はスイッチなんだけど、魔素にはON/OFFの状態が無いのかしら?」とカーラが頭を抱えた。
「ならば、電子が魔素に置き換わらないようにしたらどうかな?」とカルロス。
「カレンさんは、マルコス・マレイが開発したナノマシンだそうだ。ここをもう少し掘り下げてみようか」
「化学反応はできてるみたい。炎魔法では、ちゃんと炭素と酸素が反応しているわ」
「固体と気体では物理法則?が異なるということかな?」
解明には年月が必要なようだ。




