第30話 住みやすくしよう 赤い尻尾邸を建てる
独り身じゃないので、雨風がしのげれば良いなんてことじゃダメだね。
竪穴住居、円錐形で藁葺のままでは、カレンやタロウも入れて住むには手狭だし、貧相だね
ということで、四人と一匹で話し合った。
6メートル四方の居間と、3メートル*4メートルの寝室が6つ、物置と、キッチンに風呂場、トイレなどのレイアウトを決めてゆく。三角屋根の平屋をつくることにした。
ざっと、100平方メートルほどになる。
僕のクラフトと、アズサのコピーアンドペーストで建築材料が揃えられるか、また、家を建てられるか、話し合った。周囲の森から丸太を調達して、それをコピーアンドペーストで増やすことができるのか、重い丸太を持ち上げるための、魔法を編み出すとか、準備に1か月ほどかかった。
森に入って、手ごろな木を切り出す。
のこぎりはいらない。右手を幹に当てて、”クラフト”と唱えると、横にイメージした丸太が横たわっている。
えっちらおっちらと運ぶ。カレンとタロウは力持ちだよ??。いやいや、軽くする魔法もかけたのだ。
竪穴住居の横に建てるよ。
「アズサ、ここに”ペースト”して!」
えっちらおっちらと持ってきた丸太を、アズサがコピーした。
それを、どんどん”ペースト”して、必要な丸太を積み上げた。
ペーストは、5本ぐらいで魔力が枯渇しそうになったので、一日5本に制限した。
丸太の切り出しも5本が限度のようだ。必要な木材を揃えるのに、10日ほどかかった。
柱を立ててゆく。壁になる横木を組んでゆく。接合部は僕の”クラフト”でガッチリと固定する。
屋根にする梁を渡し、垂木を敷いてゆく。その上に茅を幾重にも重ねた。
で、隙間はどうするかって?。それも”クラフト”で、埋めてゆく。
ここまでが、外仕事。大変だった。10日ほどかかったよ。
床を作ったり、キッチンの収納棚や、ベッド、テーブル、トイレなど次々と作って備えてゆく。
必要な部材は、アズサに補給してもらい、細かなところは”クラフト”で作る。が、魔力不足になる手前で、その日は終わり。結局20日ほどかかった。
やっぱり、四人で生活するには快適なスペースが必要だ。
居間のテーブルは、6人掛けできる大きなものを作った。椅子も座りやすいものを、皆で座り心地を確かめ合った。キッチンには、竈と料理台、水ガメを用意した。まあ、使いながらと言うことでカレンとアズサのOKが出た。
四人と一匹で、家の前に立った。
「「おぉ・・!!」」
ドアを開けると、広い居間兼・食堂兼・応接間に入る。まっすぐ突き抜けるとフリオ、アズサ、カレン、タロウと客室の6つの部屋がある。居間の左側は、対面式のキッチンがあって、アズサ用の踏み台が鎮座している。ちっちゃいからね。
右側は作業場や食料品置き場、風呂場、トイレなどがある。
「この家の名前を付けよう」
「うーん、”赤い尻尾邸” 通称”レッドテール”でどお??」
「そのまんまだね。まあ良いか」
「ダメよ、投げやりじゃ」ってアズサに叱られた。
最近、アズサが小うるさい嫁のように、仁王立ちして、ビシッと言ってくるのだ。
と言い合っていると、ドアがスーッと開きシロが入ってきた。そして、自分の場所はここだと言わんばかりに、窓の下に寝そべった。
「シロったら、家族の一員だね。ね!、フリオ」
ニコッとアズサが決め顔をした。
「ウォン」




