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第28話 カレンの森人に会う

私はカレン。


マスターがあの館から運び出してくれて、2年ほど経ったころです。あの青い太陽が急に大きく見えたかと思った瞬間、身体の奥に私が芽吹いたのです。それからの私は生まれ変わったように、周囲の知識やフリオ様の一挙手一投足を注視し、理解して来ました。それから完全復帰まで3年かかりました。



「フリオ様、アズサちゃん。散歩に行きましょう」

毎朝、三人で散歩します。家の周りと畑を一周すると、およそ30分の道のりです。

あまり、おしゃべりはしません。

朝の雰囲気を味わうのです。木々のこすれる音や、小鳥の声。


途中、畑でマスターが好きな朝食の食材を手に入れます。

「ニンジンだよ。セロリだよ。美味しいよ」って、フリオ様が嬉しく微笑むのです。



私が自分で言うのはなんですが、私は多芸で、大工から裁縫、料理までなんでもこなせます。



マルコス・カガク一家が住んでいた青い館。

マルコス・カガクは24世ということは??。一世代がおよそ200年としたら、5000年後の子孫ということになる。しかし、この星とカカグ家の星域が同じ時間軸とは限らない。まあ、子孫だということにしておこう。そして、カレンの話と周囲の状況から、この建物は、この星の時間軸では2000年ぐらい前のようだ。


カカグ星域の時間軸で2000年ほど前に何があったのだろうか?。


 ファミリーが12年ほど生活していた名残りは少ない。部屋にはチリや砂が積もっており、僕とカレンは一室づつ掃除をしていった。ダイニング&キッチン、居間が2つ、個室が12室あった。その他に食糧庫、研究室、制御室が続いていた。メイドには大部屋があてがわれていたようだ。

崩れた人型は、ひとつひとつ袋に入れ、庭の一か所に埋葬した。

思い出があるのだろう。カレンがしばらく跪いていた。

 


ある朝、私カレンが畑を見回っていると、何かが違います。

ところどころ、草が取られています。こっちのニンジン畑の雑草がありません。私より早く起きてマスターが取ったのでしょうか?。


「マスター、この辺の草取りをしましたか?」

「いや、していないよ」


はてさて?

次の日も、次の日も、少しですが、家人以外の手が入っているようです。

3日目の夜。私は目を凝らして、畑の方を見ていました。

その夜は、2つの月が大きく輝いています。

おぉ・・。来た来たー。あれは小人でしょうか?。


背格好は子供ですね。5人ぐらいかな?。

草刈り鎌とかごを持って、せっせと草取りをしていました。声をかけようと思いましたが、驚かしたらよくないと思ってやめました。マスターとタロウに話してからが良いかなと。



「「見たい。話たい」」とアズサとフリオさんが喜色満面で私に迫ってきました。


ということで、月が出てから畑に出向きました。しばらくすると森人が出てきました。

まず、私カレンが声をかけました。女性だと警戒がゆるかもしれないと思って。

月明かりに、姿を現しました。


「こんばんは、こっちに来ませんか?」


「ありがとうございます」


えっ、言葉が通じるの?


通じたようで、恐る恐るこちらを窺いながら、近づいてきました。


「すみません。夜分お騒がせします。私は森人のグリンと申します」


身長が150センチメートルほどで、顔も手足も緑色に見える。髪は茶色。目は青い。

男?一人、女一人、子供が3人。5人が目の前に立っています。


まあ、よくわからんがとりあえず悪意がなさそうなので、僕は受け入れることにした。



森人たちは、赤い尻尾邸から南東に1キロメートルほど、下ったところに簡素な小屋を建てて、引っ越してきました。


「「「フリオ様ああ。よろしくお願いします」」」


そして、次々と各地に散らばっていた森人が集まってきた。総勢1200人ほど。

グリンの小屋から、三角の家が点々と連なり、村ができた。

ミドリ村と呼ばれる村になった。


そこから、毎日、田畑に向かって森人たちが行き来するようになった。作物も順調に育って、次々と収穫された。

森人たちが持ち込んだ、野菜や穀物類も加わって、種類も増えた。耕作地も拡大され、自分たちで消費する以上に収穫があった。


なぜに、森人が近づいてきたかとの理由は、聖獣様がいらっしゃるところは、豊作で安全な土地だって。


「シロ、知ってた?」とアズサがシロに聞くと。


「わふ」だって。


採れた農産物は冬に向けて貯蔵することと、他の村や町との交易品にして交流を進めたい。


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